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I write about banking and finance in Asia, the Middle East and Africa.

MR.LIGHTMAN1975 / shutterstock

フィデリティ(米投資機関)で日本以外のアジア株のヘッドを務めるキャサリン・ヤングによると、最近はクライアントが「アジアが構造的に成長する命題は変わらず、マクロでは幾らか逆風が吹いているが、まだ機会はある。中国市場にまだ魅力があることは分かっている」と、口をそろえて皆が同じことをいうそうだ。しかし「地理的に遠いので、とりわけ中国については何が起きているのか分かりにくい」ともいうらしい。

ヤングは、そんな彼らに、海の向こうで得られる情報、特に彼女が「GDP成長への固執」と呼ぶものはほんの一部に過ぎないと伝えている。

「通念に反しますが、GDPの数字が強いからといって、必ずしも株主資本利益率が高まるとは限らないと思います」と彼女は話す。それを裏付ける、最近までのここ1世紀以上のデータが、一人当たりの実質成長と実質資本利益率の相関関係を-世界のどこでもぶれが大きいが、中国はとくにそうである-と示しているという。

「では、もし成長率がポイントでないとすれば、投資家は何に注目したらよいのか」

彼女は一つの答えとして、「リーダー」を挙げている。長年にわたり、リー・クアンユー(シンガポールの政治家)がシンガポールの経済や市場のパフォーマンスに与えた影響、より最近では、フィリピンのアキノ大統領の影響が注目される。彼女はまた、習近平主席も同じ脈絡で考えられると話す。

「彼は前任者たちとは異なり、中国を再び超大国にしたいのです。」とヤングは付け加え、習主席が明らかに野心をもっているとして腐敗撲滅運動を例に挙げている。更に「年初来、政府の意思決定をする中間層が更迭されてすべての決定権がトップに集中しています。これにより、習近平の改革案の実現が可能となるのでしょう。」と話している。

ヤングはそこから生じる、とくに国有企業改革絡みの機会に期待している。「国有企業の多くは極めて魅力的な資産を保有しているが、経営効率が悪いと思います。」と話し、昔のシルクロードを復活させるワンベルト・ワンロードプロジェクトに注目している。「これは単に鉄道や海運にとどまらず、中国をサービス網の中核に位置付けるものです」と、ヤングは言う。

例えば、中国のセメント会社が彼女に語ったところによると、ワンベルト・ワンロードプロジェクトではASEANやミャンマーと共同でプロジェクトを行う機会があり、以前よりはるかに迅速に合意ができるようになったそうだ。「相互協議によって取引がスムーズに行われるようになったのです」と、ヤングは話す。

もう一つのテーマは、民間企業が研究開発への支出に前向きになっていることだ。「彼らは、その技術の入手が不可能であれば、国外で入手し持ち込むのです。」

これは、とても良いことではあるが、実際には、今年にはいって中国の株式市場は暴落している。経済成長率が操作されたものか否かに関わらず、市場では中国の成長モデルが破たんしているのではないかとの恐れをもつ投資家で溢れているのも事実だ。

それに対して、ヤングは、「選択をすればいいのです」という。実際、中国では株価収益率が100倍の株も存在する。「中国は収益の点で魅力的ですが、それは香港も同じです。つまり、どの株を選ぶかなのです」と、ヤングは話す。

またヤングは、予想変動率は、個人投資家層が多いことが原因であるという。さらに、上海と深圳市場は、専ら信用取引する個人投資家で動いているが、彼らは投資した会社が何をしているのかさえ知らないと付け加える。

つまり、この予想変動率を乗り切るためには、筋書きが必要なのだ。ヤングは、とくにオンラインでの消費関連ビジネス、海外旅行関連に興味を示している。現在、中国でパスポートを持っているのは人口の4%に過ぎない。「あれほどの人口が、あたりまえのように海外旅行にでかけるようになったらどうなるかを考えてみれば分かりますよね」と、ヤングはいう。

保健医療や、中国では単なる保障としてだけでなく投資商品の一種と認識されている保険も同様である。特にヤングは、再び国有企業について触れ、それらの企業が再編されれば、はるかに大きな収益が実現すると話している。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

 

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