フォーブスは投資家向けニュースレターの編集者やポートフォリオ・マネージャーらに、今後1年間でベストと思われる投資戦略を聞き、推奨銘柄を挙げてもらった。
ジム・オーバーワイス氏(The Oberweis Report)の推奨銘柄:
●アイマックス・コーポレーション(IMAX)
世界でも有数なエンターテーメント・テクノロジー企業で、動画関連の技術と映画上映に特化している。IMAXは自社規格のソフトウエアと劇場設計、設備を組み合わせ、高品質な映画配給システムを提供している。2014年末時点で62カ国、934の劇場でこのシステムを運営している。同年にはさらに118の映画システムの契約を結んだ。
IMAXの収入にはシステム販売に加え、映画の売り上げも入ってくる。今年は下半期に大ヒットが見込まれる「スター・ウォーズエピソード4」「007スペクター」「ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション」などの公開が予定され、売り上げ増が期待されている。
中国は同社にとって世界第2位で、伸び率の最も大きい市場だ。2014年末時点で、中国市場全体で234館が運営され、217館がオープンを待っている。IMAXはここ1年以内に中国での合弁企業を香港に上場させる計画。今第2四半期の決算で売り上げは前年同期の7,920万ドル(約95億円)から35%増の1億720万ドル(約129億円)に急伸。一株当たり利益も25ドルから40ドルとなった。
●Arista Networks
クラウドコンピューティングのプロバイダーで大規模なシステムを提供している。競合他社とは違いオープンOSのLinuxを採用、容易にカスタマイズができるのも特徴。顧客にはイーベイ、フェイスブック、マイクロソフト、ヤフーなどが名を連ねている。
ジョン・バッキンガム(The Prudent Speculator)氏の推奨銘柄:
●National Oilwell Varco
石油、天然ガスの採掘、精製設備の製造販売を行う世界的な企業。全ての分野でトップまたは2番手のシェアを確保している。財務も健全で受注残も100億ドルに達している。長期的にエネルギー需要はさらに拡大するとみられ、さらに成長の余地があるとみている。
●Stage Stores
Bealls, Goody’s, Palais Royal, Peebles, Stageの名で40州、850のデパートを展開、成長可能性が高い小中規模の市場に特化している。90店舗を閉鎖して既存店の改装を行う予定で、直接販売のチャネルにも開拓の余地がある。5.6%の配当利回りも魅力的だ。
リチャード・リーマン(Forbes/Lehmann Income Securities Investor)氏の推奨銘柄:
●Physicians Realty Trust
ヘルスケア関連のデバロッパーで 122の医療施設などを所有する。配当利回りは6.2%。
●Geo Group
矯正、収容、社会復帰など106の施設を米国、英国などで展開。配当利回りは8%。
ジョン・ドボシュ( Forbes Dividend Investor)氏の推奨銘柄:
●Douglas Dynamics
国内需要向けの除雪機メーカーで、為替変動の影響も受けにくい。配当利回り4.2%。
●Orchids Paper Products
主に格安店で販売される紙ナプキンとトイレットペーパーを製造。配当利回り5.7%。
テシク・ヨン(Forbes Investor)氏の推奨銘柄:
●McKesson
北米で薬品や美容製品などの卸販売を手掛ける。安定した成長を続けている上、最近の株式市場の下落で購入しやすい株価となっている。
●Supervalu
食料品卸、小売り大手の一角。3年前には経営危機で約半分の事業部門を売却したが見事に経営立て直しに成功した。将来性への懸念からこのところやや売られたが、業績は好調のため再び投資家の関心を集めそうだ。
リチャード・モロニー(Upside)氏の推奨銘柄:
●Lannett
ジェネリック医薬品メーカーで、市場予想を超える業績を上げている。2016年も4~7%の伸びを見込んでいるが、同業社買収や新製品の効果で予想を超える可能性もある。
●On Assignment
人材派遣の大手だが、業績低迷で株価は下落していた。ただ、雇用環境の改善で先端技術、エンジニアリング、生命科学などでの求人が高まっており、業績の回復が期待できる。
●Wabash National
大量輸送用のセミトレーラー・トラックの大手。買い替え需要も旺盛で、業績の上方修正が続いている。
チャールズ・カールソン(DRIP Investor)氏の推奨銘柄:
●Baxalta
世界的な製薬会社バクスターから分社した企業で、血友病を含む血液、免疫関連に特化する。アイルランドのシャイアーから企業買収提案を受けているが、実現には提案された買収価格を引き上げる必要があるとみられている。
●Columbia Pipeline Group
米西部、北東部で電気、ガス、水道などを供給するNiSourceからのスピンオフで、ニューヨークからメキシコ湾に至るパイプラインを所有、運営する。現状、株価は弱含みだ。