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税金に関する記事を中心に執筆 モットーは「厄介な税金、知れば有益」

Taina Sohlman / Shutterstock

フォルクスワーゲンが排ガス試験結果を有利に導くようプログラムされたソフトウェア搭載の自動車を1,100万台、世界中に販売したことを認めてから数か月が経ったが、今度はドイツ検察当局が、脱税の疑いで同社従業員を捜査したことを明らかにした。

世界中1,100万台販売されたとされる不正ソフトウェア搭載の車種は、アウディ A3 (2009-2015年製)、VW ジェッタ (2009-2015年製)、VW ビートル (2009-2015年製)、VW ゴルフ (2009-2015年製)、 VW パサート (2012-2015製)。このニュースが流れた後、同社最高経営責任者 (CEO) マルティン・ヴィンターコルンは、自らが言うところの「不祥事」の責任をとって辞任した。また、同社は不正スキャンダルに対して内部調査のメスを入れると公言したが、その結果がまだ明かされていない。

ドイツでは通常、組織としての会社が罪に問われることはないという。ドイツ・フランクフルトの法律事務所Factum Legalの弁護士アクセル・ウェーバーによると、これは法律で定められているからだという。現ドイツ刑法典の下では、犯罪行為に対して個人が罪に問われることがあっても、会社組織が罪に問われることはないと同氏は説明する。ただ、これには例外があり、重罪の場合軽くても会社組織で責任を負うことがあると言われる。

今回の脱税や金融犯罪、詐欺はこの軽度の重罪には当たらなく、より重大な犯罪として取り扱われる公算が高い。実際、捜査当局ではこの線に沿って調査を進めている。ドイツのブラウンシュヴァイク地方検事クラウス・ツィーエによると、現在、調査は主としてフォルクスワーゲンの従業員5名に対して行われているが、その身元は明らかにされておらず、同社の経営幹部がどうかも不明という。調査の対象となる従業員の人数は、調査の進行次第では「増加または減少」の可能性がある。
脱税容疑に焦点を絞った今回の調査は、排出ガス不正問題とは切り離して行われる模様だ。これまでにフォルクスワーゲンの従業員6名が調査の対象となった。

フォルクスワーゲンは、排ガス試験を操作することによって多くの自動車を消費者に販売したことになり、それは、とりもなおさず、購入者は購入時、排ガス規制に基づく税優遇措置を受けたことを意味する。ドイツでは、税優遇措置として自動車税と検査料の軽減を実施している。2009年時点、ドイツでの自動車税の税額は、年税扱いでCO2排出量を基準としている。自動車所有者がCO2排出量を届ける制度になっていることから、これらのフォルクスワーゲンの自動車所有者は自動車税を実際より少なく支払ったことになる。このことはフォルクスワーゲン側の発言で確認されている。
今のところ、脱税調査の完了時期は不明であるが、今年末までに終わりそうな気配はない。調査が完了するまで、少なくてもあと数か月を要するだろうと、ツィーエ地方検事は見込んでいる。
同様な調査を実施しているのが、米上院財政委員会のオリン・ハッチ議長(共和党) と委員のロン・ワイデン委員(民主党)である。米国税庁によると、同庁は排ガス不正の対象となったフォルクスワーゲン・ディーゼル車の税優遇措置として5,100万ドルもの予算を支出したという。ハッチ、ワイデン両委員は、主としてフォルクスワーゲンAGと米フォルクスワーゲングループ が連邦税補助金の助成を受けるため虚偽の申請をしたかどうか入念な調査を行っている。調査に関するフォルクスワーゲン側の当初の回答期限は2015年10月30日であった。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

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