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Halfpoint / Shutterstock

この秋、アメリカで複数の政府のプログラムや税制が変更・更新された。会社の業績にも影響する可能性があり、ひいては個々がリタイアするコストもアップしたかもしれない。

そんな変更は聞いていない?たしかにコストの中には、「2015年超党派予算法」などという、無味乾燥な名前の法律の中に埋もれているものもあれば、単に物価スライドが行われただけの場合もある。個別に見れば、こうした税や給付の変更はたいした額にはならないかもしれないが、それらがまとまると、重いコストとなりうるのだ。

ソーシャルセキュリティーに新たな制限
ソーシャルセキュリティーからの毎月の給付は、退職後の収入計画の重要な位置を占める。金額的には最大で2,663ドルにものぼる。
この給付についての変更がここ数週間で相次いだ。まず、毎月のソーシャルセキュリティーからの給付および補足的保証所得(SSI)の金額が、2016年には据え置かれることが発表された。SSIの給付は過去7年で3度据え置かれたことになる。
大統領が11月2日に署名した超党派予算法では、さらに大きな変更も決まっている。この法案では、これまでよく使われてきたソーシャルセキュリティーの請求戦術にメスが入れられたのだ。

・利用停止を遡及的に解除して給付をうけるオプションが廃止された(言い換えれば、停止期間中に本来受け取れていたはずの給付金を一括で受け取るやり方だ)

・加入者が自分の給付を停止している間に、当該加入者が他人の職歴をもとに給付を受けることができなくなった

・加入者が自分の給付を停止している間には、他人が当該加入者の職歴をもとに給付を受けることができなくなった

これらを翻訳するとこういうことだ。つまり、配偶者Aがソーシャルセキュリティーに申請を行い、その後ただちに給付停止をすることで、配偶者Bが配偶者給付をうけることができるという、おなじみの「申請してすぐ停止」オプションが使えなくなったということである。
特に富裕層にとっては使い勝手のよかったこのおなじみの申請戦略は、多くの夫婦にとって退職計画の中心要素となっていた。この戦略がとれないことにより、そうした夫婦の退職後の資金計画は見直しを迫られる。

メディケア保険料の値上げ
一般にメディケアは資力とは関係がないと思われているが、実際には関係がある。高所得区分の納税者は、メディケアのパートB(基本的に医者に払う費用だ)の保険料月額を、その他大勢の高齢者と比べて3倍近くも支払っているのだ。
そして2016年、高所得の高齢者にとっては、すでに割高のパートBの保険料が実に50%も引き上げられる予定だ。とはいえ予算法により、上昇率は15%で頭打ちと定められた。

たとえば、個人で21万4,000ドルを越える所得を申告したメディケアの受益者については、2016年の月額保険料は389.80ドルになる。これに対しその他大勢のメディケア受益者の保険料は121.80ドルだ。

年金コストもアップ
あなたの会社では税制適格の確定年金を導入しているだろうか。
もしそうなら、予算法の結果、この制度を維持するコストもアップしたことになる。2016年からの加入者1人当たりの定額保険料は、単体型年金の場合64ドル(2015年の57ドルから上昇)、総合型年金の場合27ドル(2015年の26ドルから上昇)となる。事業主ならご承知の通り、会社の事業コストの上昇は、個人の財布を直撃するのだ。

インフレスライドしない所得税
まずはよい知らせから。富裕層の所得関連税の多くはインフレスライドすることになっている。したがって、個人および信託財産の最上位の所得区分、および代替ミニマム税の控除額はすでに引き上げられている。同様に、PEP(人的控除を減額する仕組み)およびPease(項目別控除項目を減額する仕組み)調整額など、いわゆる「ステルス税」もインフレスライドしている。夫婦合算申告する場合を例に取ると、インフレスライドする基準金額には、代替ミニマム税(2015年の83,400ドルに対して82,800ドル)、PEPおよびPease調整額(2015年の309,900ドルに対して311,300ドル)、最上位の普通税およびキャピタルゲイン税の所得区分(2015年の464,850ドルに対して466,950ドル)がある。

悪い知らせは、富裕層にとって特に厄介な2つの税がインフレスライドしないことだ。これらは2013年に税法規定が発効して以来、基準所得が見直されていない。

第1に、純投資所得税(NII)もしくはメディケア付加税と呼ばれる規定がある。これは、基準所得を超える不労所得に対して付加される3.8%の税である。たとえば、夫婦合算申告に純投資所得がある場合、修正調整後総所得(MAGI)250,000ドル以上の部分について、3.8%が徴収される。

第2に、0.9%のメディケア雇用税がある。簡単に言うと、この税のせいで高所得の給与所得者に対する雇用税が、1.45%から2.35%にあがることになる。所得基準額はNIIでつかわれるものと同じだ。だからたとえば、夫婦合算申告で、給与所得がMAGIで250,000ドル以上ある場合、これを越える部分の給与については、0.9%の雇用税が追加徴収されることになる。簡単に言えば、所得基準額を超えると、1,000ドル多く稼ぐたびに、税金が9ドルかかるというわけだ。その1,000ドルの購買力は2013年以降のインフレで目減りしているというのに、これら2つの税金の所得基準額は変更されていないのである。

事業からのリタイアを計画する際には、こうした細かいながらも負担が膨らみがちななるコストについて、アドバイザーとよく話し合うことだ。転ばぬ先の杖である。

編集 = Forbes JAPAN 編集部

 

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