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新しい時代の営業組織のモデルケースを表彰するアワード「Forbes JAPAN NEW SALES OF THE YEAR 2024」
新しい時代に必要な、新しい時代の営業活動である「NEW SALES」を実践しているエンタープライズ企業にスポットライトを当て、営業の新しい可能性に注目します。
Forbes JAPAN NEW SALES OF THE YEAR 2024
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2,000人超えの部署が一枚岩に
組織文化の浸透術「ほんさぽ」の威力
同社の売り上げの約半分を占めるインターネット広告事業本部は約1,300人の組織だ。業界でもいち早く分業化を進め、入稿やレポーティングといったオペレーションは子会社シーエー・アドバンスを設立して分離した。子会社を合わせて2,300人規模の組織がなぜ一枚岩で動けるのか。
組織として機動的に動けるのは、「広告効果の最大化」という価値観の共有が根底にある。毎月末に行う「締め会」では、広告事業全体でキャンペーンの進捗や営業の数字を共有し、目線を合わせる。分業によるサイロ化を防ぐ仕組みはほかにもある。インターネット広告事業本部では、生産性向上プロジェクトとして「あんしんサポートセンター」を組織化。新卒採用中心の同社では、ボトムアップでの成長を促すため、社員にナレッジやツールをセンターから提供する。
このうち、本部サポートからの連想で名づけた「ほんさぽ」では、デジタルでナレッジ領域をカバー。ナレッジやチャットボットで解決しない場合は各担当者がいる質問部屋へ誘導するなど、その場で100%解決する仕組みを構築した。こうした生産性向上プロジェクトで、資料検索時間が平均で半分に削減。最大で8分の1に削減するという成果につなげた。
チームアチーブメント賞
チームアチーブメント賞
栄養士も時短社員も活躍
全国の食堂を支えた「チーム営業」
1976年に三井物産の社員食堂運営から事業を開始したエームサービスは、現在、オフィスをはじめ、工場、病院、学校、スタジアム、ホテルまで、あらゆる領域で「食」を提供している。2万6,000人を超える従業員の大半は全国約1,500カ所で展開する事業拠点での実働部員であり、顧客の新規開拓を担う営業開発本部に所属するのは92人と少数精鋭部隊である。
2021年に営業開発本部長に着任した社歴36年の森田明は、“見て盗め”というこれまでの人材の育成方法に限界を感じ、会社の成長を支えていける安定した組織への改革に乗り出した。社内でも業務改善についての議論が活発になり、新たなSFA導入を推進しようと、顧客、案件、行動、名刺などの情報を一元管理できる Mazrica Salesを採用。データの入力強化に尽力したことで、営業フローにおける具体的な課題と改善への糸口を見出した。
さらにノウハウやナレッジを共有しようとナレッジワークも導入したことで、生産性が向上、商談数はツール導入前の1.5倍に増加した。森田は「チーム営業」への転換にも注力し、案件ひとつに対して最小3人でチームを組成。いつでもカバーしあえる環境を整えることで、時短勤務を希望する社員なども活躍できるようになった。9割以上を男性が占めていた営業部員も、男女比が7:3になるなどキャリアや働き方の選択肢の多様化にもつながった。
カスタマートランスフォーメーション賞
カスタマートランスフォーメーション賞
「アート」と「サイエンス」の両軸で
顧客体験価値を最大化する
2022年、NTTコミュニケーションズはNTTドコモ、NTTコムウェアと経営統合。それまで各社バラバラで提供していた法人事業をまとめ、統合ソリューションとして展開することで、顧客体験価値の最大化を狙う。
マーケティング部門 部門長の戸松正剛は「セールスイネーブルメントは“サイエンス”」と表現する。同社では固定通信からIoTまで異なる商品知識や文化をもつ営業組織を束ねる共通言語を生み出し、営業品質を揃えるためセールスイネーブルメントに注力。国内最大級の約1万6,000 IDのSaleforceなど顧客属性や商談情報の活用ほか、提案資料やTipsを格納したシステム、営業のネクストアクションをMicrosoft TEAMS上に表示するシステムなど、体系化に成功。
さらに、戸松が “アート”と呼ぶ営業戦略の軸がもうひとつある。経営統合で広がったソリューションビジネスの認知と新規領域の拡大、顧客体験価値の向上を目的とした事業共創プログラム「OPEN HUB for Smart World」だ。ワークショップを通じて発想したり新技術に触れることで事業を生み出す。すでに1,000件の共創案件をもち、水田のメタン削減とJ-クレジット創出を目的に、同社とヤンマーグループで食関連事業を行うヤンマーマルシェとの共創プロジェクトなども生まれている。
セールスイネーブルメント賞
セールスイネーブルメント賞
2年で売り上げ450%増の成功例も
成果を支えた「営業プレイブック」
情報やナレッジの全社共有を目的とした「セールスイネーブルメント部」を立ち上げてから1年。Sansanやナレッジワークを用いて4,000人以上の営業パーソンから2,000を超えるナレッジを集積。これらを活用し、新たに一人あたり月平均8.4時間もの顧客対応可能時間を捻出するなど着実に改革を実行し、成果につなげた。
そして、さらなるセールス拡大に向け取り組むのが「End to Endでのサービス提供」だ。鉄道輸送、航空輸送、倉庫での保管など計13の事業領域があるなかで、取引が保管だけなど部分的である顧客に、材料の調達から消費者への製品のお届けまで一貫して行うことを目指す。実際、顧客一社あたりに提供する事業領域数は右肩上がりで、2023年の売り上げを21年比450%増と飛躍的に伸ばした例もある。
取引成果を支えたのは、同部が一年をかけて作成した「営業プレイブック」である。各営業フェーズで、ハイパフォーマーたちが実践しているキーアクションをすべて言語化した。努力の仕方を具体的な言葉で共有したことで、各々で強化すべき点が明確になった。さらに今年1月には部内に新チーム「ナレッジセンター」も設け、集約されたデータを整理したり、顧客とのアイスブレイクに活用できそうなニュースを社内へ拡散したりするほか、ツールについての社員からの質問を受け付けるなど「営業の駆け込み寺」となって細やかにサポートする体制を整えている。
DX推進賞
DX推進賞
ICT企業としてのプライドを胸に
攻めの営業DXを実現させた「紡ぎの技」
NECソリューションイノベータは2014年の発足以降、Salesforce導入をはじめ営業DXに積極的に着手。デジタルツールを連携し、一連の工程を自動化することで、年間500時間かかっていた複数のデータベースにある顧客情報を統合する名寄せの時間をなくしたのは、成果の一例だ。
DX支援のICT企業が自社で進める営業DXは極めて円滑だと考える人は多いかもしれない。しかし、実際は愚直なまでに改善を繰り返し、攻めの営業へ変革を進めてきたのである。ツールの連携もトライアンドエラーの繰り返しだった。Salesforceを運用してみたものの確度が高い潜在顧客にアプローチできていないという課題から、ターゲティングを精緻に行うために、FORCASを導入。データを貯めるだけでは重複や表記の揺れがあり、すぐ使える状態にならないと、Sansan DataHubを導入してデータクレンジングする、といった具合にひとつずつ課題をつぶしていった。
ツール定着にも工夫を凝らし、「5分速報」という独自のアドオンを開発。商談後5分以内に営業へSalesforceへの入力を促し、蓄積情報の精度を高めた。運用ルールの再検討や勉強会実施など改善のサイクルも回し、営業効率を追求した結果、直近2年で売り上げは約1.5倍に。また、データ活用によるナレッジ蓄積や顧客ニーズの洗い出しを行うことで、23年度は営業生産性が前年比で18%向上。営業が顧客課題解決に向けて考え、創造性を発揮する時間を生み出した。
YUKARI KURAMOTO
マッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパンパートナー
YUKARI KURAMOTO
マッキンゼー・アンド・カンパニー・ジャパンパートナー
東京大学理学部物理学科卒業、東京大学理学部物理学修士修了、マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院 MBA終了。
マッキンゼーにおけるB2B営業・マーケティングのリーダーとして 製造業を中心に営業改革、グローバル成長戦略と拡販実行支援を行う。アジアにおける成長・マーケティング・アンド・セールスグループのリーダーであり、先端産業にも専門性を持つ。主に自動車・自動車部品、半導体・電子部品、機械、ソフトウエア、デジタル、化学品の分野を中心に、売上向上、価格、マーケティングに関わる変革を支援している。また、マッキンゼーにおける女性人材の活用および活躍推進プログラムのリーダーも務める。私生活では二児の母。
著作に「日本の生産性はなぜ低いのか」、監訳書に「SalesGrowth世界のセールス・エグゼクティブが伝える5つの実績のある戦略」がある。
現在、Forbes JAPANで「営業改革の教室」を連載中。
TSUYOSHI SHIMADA
グロービス経営大学院 教授グロービス 出版局長
TSUYOSHI SHIMADA
グロービス経営大学院 教授グロービス 出版局長
東京大学理学部卒業、同大学院理学系研究科修士課程修了。
戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社。
累計160万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」のプロデューサーも務める。
著書に『MBA 問題解決100の基本』『MBA 生産性をあげる100の基本』『MBA 100の基本』(以上東洋経済新報社)、
共著書に『グロービスMBAマーケティング』『グロービスMBA経営戦略』『ストーリーで学ぶマーケティングの基本』(以上ダイヤモンド社)、
『ビジネススクールで教えている 武器としてのAI×TECHスキル』(東洋経済新報社)など。
その他にも多数の共著書、共訳書がある。
グロービス経営大学院や企業研修においてマーケティング、経営戦略、研究プロジェクトなどの講師を務めるほか、
各所で講演なども行っている。営業の生産性を高めるための研究なども行っている。
MASAKI SHIMIZU
パナソニック コネクト株式会社現場ソリューションカンパニー現場サプライチェーン本部マネージングダイレクターヴァイス・プレジデント
MASAKI SHIMIZU
パナソニック コネクト株式会社現場ソリューションカンパニー現場サプライチェーン本部マネージングダイレクターヴァイス・プレジデント
1997年 4月松下電器産業株式会社 入社
1997年 8月松下通信工業株式会社 直轄営業部
2003年 4月松下電器産業株式会社 パナソニック システムソリューションズ社
官公庁ソリューション本部 官公庁3グループ 主任
2008年 4月パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社
営業本部 郵政グループ チームリーダー
2013年 7月パナソニック システムネットワークス株式会社
システムソリューションズジャパンカンパニー 営業部門
ソリューション3グループ(保険) グループマネージャー
2017年 4月パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社
法人システム営業本部
金融・郵政営業統括部 郵政・防犯システム営業部 部長
2018年 4月パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社 執行役員
2019年 4月パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社 常務執行役員
法人営業本部 本部長
2022年 4月パナソニック コネクト株式会社 現場ソリューションカンパニー
カンパニー常務役員 法人営業本部 本部長
2023年 4月パナソニック コネクト株式会社 現場ソリューションカンパニー
現場サプライチェーン本部 マネージングダイレクター
ヴァイス・プレジデント
SHINGO TAGUCHI
株式会社ユーザベースSaaS事業 法人営業・マーケティング支援責任者上級執行役員
SHINGO TAGUCHI
株式会社ユーザベースSaaS事業 法人営業・マーケティング支援責任者上級執行役員
1984年生まれ。北海学園大学卒。
2014年にITクラウドサービス企業にてLTV最大化チームを立ち上げ後、2016年からユーザベースへ参画。
SPEEDAチームを経てFORCASの営業責任者に着任し、企業データを活用したABM(アカウントベースドマーケティング)及び営業戦略の立案や実行を支援。
2018年からCRO(Chief Revenue Officer)、2021年4月からCEOを歴任し、2024年1月より現任。
KEI TOMIOKA
Sansan株式会社取締役/執行役員/COO/グローバルビジネス推進室室長
KEI TOMIOKA
Sansan株式会社取締役/執行役員/COO/グローバルビジネス推進室室長
慶應義塾大学環境情報学部を卒業後、日本オラクル株式会社へ入社。
九州地方の担当を経て、上海やバンコクを拠点にグレーターチャイナ(中国、香港、台湾)、東南アジア、インドのマーケット開拓を担当。
2007年、Sansan株式会社を共同創業し、営業DXサービス「Sansan」の事業を指揮する。
現在はCOOとしてSansanをはじめ、BtoB SaaS事業を統括。2023年から、Sansan Global Pte. Ltd.のCEOに就任。
AKIE IRIYAMA
早稲田大学大学院早稲田大学ビジネススクール教授
AKIE IRIYAMA
早稲田大学大学院早稲田大学ビジネススクール教授
慶應義塾大学卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了。
三菱総合研究所でコンサルティング業務に従事後、2008年 米ピッツバーグ大学経営大学院にてPh.D.(博士号) 取得。
同年より米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授。
2013 年より早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール准教授。19年より現職。
専門は経営学。著書に『世界標準の経営理論』(ダイヤモンド社)など。
KOJI ASANO
株式会社ナレッジワークCEOプロダクトマネージャー
KOJI ASANO
株式会社ナレッジワークCEOプロダクトマネージャー
2003年慶應義塾大学法学部 卒業
2003年株式会社リンクアンドモチベーション 入社
2010年中小ベンチャー企業向け組織人事コンサルティング部門の執行役員に当時最年少で着任
2016年国内初の組織改善クラウド「モチベーションクラウド」立ち上げ多数の大手企業に導入され、国内HRTechの牽引役として注目を集める
2018年同社取締役 着任
2020年「できる喜びが巡る日々を届ける」をミッションに、株式会社ナレッジワークを創業
2022年「みんなが売れる営業になる」セールスイネーブルメントクラウド「ナレッジワーク 」 をリリース
営業ナレッジの展開や営業ラーニングの提供を通じた営業生産性の向上や営業力強化を支援する
主な著書:「NEW SALES -新時代の営業に必要な7つの原則-」(ダイヤモンド社)、
「THE TEAM -5つの法則-」(幻冬舎)、
「すべての組織は変えられる」(PHP研究所)
企業としての生産性や個人としての満足度を向上させるための新時代の営業
「NEW SALES」へ変革を起こしているか
01顧客志向に基づく営業力強化
02組織力による営業活動
03データやナレッジ、デジタルの活用
01~03 をもとに、効果的・創造的・先進的な取り組みを行っているか
6月5日 (水) 17:30-21:00
※時間は変更となる可能性があります
コンラッド東京 2階 「風波」
表彰式トークセッション記念パーティー