Official Columnist

中村 正人

国境は知っている! 〜ボーダーツーリストが見た北東アジアのリアル

ボーダーツーリスト。「地球の歩き方D04 大連・瀋陽・ハルビン 中国東北地方の自然と文化」(2016)ダイヤモンド・ビッグ社の編集者として、中国東北地方、極東ロシア、北朝鮮、モンゴルなどの国境地域の町を訪ねている。今年4月、ウエブサイト「ボーダーツーリズム|国境観光を楽しもう」(http://border-tourism.jp/) を立ち上げた。国内ではインバウンドツーリズムの取材を続けており、個人ブログ「ニッポンのインバウンド『参与観察』日誌」を主宰。著書に「『ポスト爆買い』時代のインバウンド戦略」(2017)扶桑社刊がある。

  • ウラジオストクで見かけた「もうひとつの北朝鮮人」

    国際的な制裁が強まるなか、海外に出国した北朝鮮の人たちの境遇とはどのようなものなのだろうか。今月上旬から中旬にかけて極東ロシアのウラジオストクに滞在した。日本海に面したこの都市は成田からのフライト約2時間の距離で「日本にいちばん近いヨーロッパ」といわれるが、日本も含めた北東アジアの現在を象徴するコス ...

  • 日本より早く今年も開幕、中国スキーリゾートの活況

    いま中国ではウィンタースポーツ、特にスキー市場が盛り上がり始めている。今月11日、早くも吉林省にある松花湖国際スキー場が営業を開始した。背景には、2022年に開催が決まった北京冬季五輪がある。中国でレジャーとしてのスキーが始まったのは2000年代以降。政府は五輪の年までに中国でのウィンタースポーツ( ...

  • 日本のシェアサイクルはツーリスト向けに徹するべき?

    今夏、中国のシェアサイクル大手のMobike(摩拝単車)やofoが日本に進出するニュースが話題になった。中国語で「共享単車」と呼ばれる有料レンタル自転車は、都市部を中心に驚くほどのスピードで普及した。日本では到底考えられない「どこでも乗れて、どこでも乗り捨てできる」サービスが特徴で、去年の秋頃から一 ...

  • 野放し「中国人白タク」で見えた、日本の遅れ

    今年に入っていくつかのメディアが中国人観光客を乗せた「白タク」問題を散発的に報じていることをご存知だろうか。成田や関空など国内の主要空港、大都市圏を中心に人知れず中国人の運転する「白タク」が増殖している。沖縄や関西方面では地元のタクシー運転手の仕事が奪われ、「このまま野放しにしてもいいのか」という声 ...

  • なぜ中国は制裁中でも北朝鮮とつなぐ橋を架けるのか

    9月末、中国吉林省に住む友人から中朝国境に新たに建設中の橋を撮った写真が届いた。以前書いた中朝国境の遊覧ボートの話に出てくる図們新橋である。前回とは異なる場所から撮られているため、橋の建設の進捗状況や現地の様子がよくわかる。まず気づくのは、図們江(朝鮮名:豆満江)の川幅が狭く、水量が少ないこと。今年 ...

  • これからの中国人観光、「爆買い」から「女子旅」へ

    例年多くの中国人観光客が日本を訪れる国慶節休暇が近づいた先月中旬、中国当局が自国の旅行会社に日本ツアーの人数を制限するよう通達したと一部の日本メディアが報じた。中国メディアは即座に「そんな通達は出ていない」(国際在線2017年9月23日)と反論したが、中国の複数の旅行関係者に直接確認したところ、通達 ...

  • サハリンはなぜ今「ベビーブーム」なのか?

    今年6月、サハリン東海岸の港町ホルムスクにある旧真岡王子製紙工場跡に潜入し、撮影していたときのこと。ふたりのロシア人少年がいきなり廃墟の中に現れた。見慣れぬ外国人がいるのを見て、近づいてきたようだ。彼らにとって、そこは小さな頃から勝手知ったる遊び場らしい。まるで「こっちも面白いよ」とでもいうように手 ...

  • 日ロ経済協力の話よりも「北方四島ツアー」が気になる理由

    先週、ウラジオストクで開催されていた東方経済フォーラムでの安倍プーチン会談について、メディアは「『温度差』浮き彫り、『肩すかし』の訪ロ 日ロ首脳会談」(朝日新聞2017年9月8日)「領土交渉、停滞浮き彫り=経済活動合意、具​体性乏しく-日ロ首脳会談」(時事通信9月9日)など総じて冷淡に報じている。北 ...

  • 日本に一番近いヨーロッパ「ウラジオストク」の意外な素顔

    安倍首相とプーチン大統領による日露首脳会談の開催地、ウラジオストクの意外な姿をご存知だろうか。「日本にいちばん近いヨーロッパ」と呼ばれる街並みでありながら、日本に親しみを感じている人たちが多いことはあまり知られていないかもしれない。たとえば、こんな日本食レストランがある。2014年4月にオープンした ...

  • 草むらには目を光らす北朝鮮兵、遊覧ボートから見る中朝国境の今

    かつて北東アジアの大地に多くの日本人が住んでいた。ところが、戦後の日本人はこの地域をほとんど見ようとしなかった。冷戦構造で分断されていたせいだが、アメリカの衰退、中国の台頭、北朝鮮の挑発という国際環境の変化の中で、我々は再びこの地域の現実と向き合わざるを得なくなっている。メディアはこの地域を政治的、 ...