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ダニエル・沖本が日米関係の強化に力を入れる原動力は、
第二次世界大戦中に日系二世として生まれ、強制収容所で過ごした経験という、生い立ちにある。
(Forbes Japan 10月号より)

「シリコンバレー・ジャパン・プラットフォーム プロジェクト」を推進する米日カウンシル評議委員会のダニエル・沖本会長に独占インタビューを行った。

注目を集めた4月の安倍晋三総理のシリコンバレー訪問の背後にひとりの日系二世の男がいたのはあまり知られていない。

米スタンフォード大学名誉教授のダニエル・沖本(73)。1975年からシリコンバレーに在住する政治学者で、米日カウンシル評議委員会会長を務める人物だ。沖本はこれまでの日米関係への貢献が認められ、2004年に外務大臣表彰、07年に旭日中綬章、09年にシリコンバレー経済ソサエティによるライフタイム表彰、そして13年にはオバマ大統領からNational Endowment of the Humanitiesにも指名されている。

そんな沖本が“是が非でも”と望んだのが、総理大臣のシリコンバレー訪問だった。
「ふと朝3時に目が覚めた時、いてもたってもいられなくなってね」

沖本は昨年、一本のメールを送った。安倍総理の事務所から返事は、当初はあまりいい答えではなかったという。「もしかしたら、16年に、実現できるかもしれないという返事だった。でも、その後、オバマ大統領との首脳会談が決まった際に、今度は具体的なスケジュールとともに打診したよ。そこから実現に向かったんだ」

なぜ、沖本が、総理のシリコンバレー訪問を望んだのか―。それは、日本とシリコンバレーの結びつきの弱さ、そして日本経済の将来への思いからだ。

「象徴的なのが留学生たち。日本人留学生は、留学が終わると帰国してしまう。一方、他のアジアの国々の留学生はシリコンバレーにとどまり、ベンチャー企業に就職、やがて起業する人もいる。そして経験やノウハウを蓄積させ、帰国する人もいる。そうやって、ネットワークを構築している」
 
米日カウンシル評議会と日本再建イニシアティブは「シリコンバレー・ジャパン・プラットフォーム プロジェクト」を共同で企画・運営し、今後5年間で中小企業200社を選び、シリコンバレーに派遣し、グローバル展開を支援する。沖本はいま、運営基金設立に向け奔走し、東京商工会議所、経営共創基盤、東京大学エッジキャピタル、東京中小企業投資育成から、協力の意思表明をもらっているという。

「シリコンバレーの企業は、日本の高い技術力のある企業とつながりたいと思っている。そんななか、中小企業が国内市場で満足しつづけるのであれば、日本経済、とくに地方経済の再生のチャンスは減少してしまう。ひとつ成功事例ができれば、中小企業のグローバル化の道は開ける」

沖本の日米関係に対する取り組みへの情熱は永久に続くであろう。

フォーブス ジャパン編集部 = 文 岡田晃奈 = 写真

 

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