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khunaspix / Bigstock

投資の神様、ウォーレン・バフェットは45億ドル(5,300億円)をフィリップス66に投資しようとしている。フィリップス66はテキサス州ヒューストンに本社を置き、ニューヨーク証券取引所に上場。フォーチュン500企業の一つとしても知られている。

フィリップス66はここ数年、順調に業績を伸ばし株価は2012年に比べ2倍となった。バフェット氏は、自らの投資持ち株会社バークシャー・ハサウェイが買収した鉄道会社BNSFと化学メーカーlubrizolを通じ、フィリップス66の将来像に興味を持っていると思われる。

2012年、グレッグ・ガーランドCEOは石油メジャーのコノコ・フィリップスからフィリップス66を独立させ、原油から石油製品を生産する「川中」に投資を集中させた。具体的にはパイプライン、鉄道基地、精製プラントといった石油や天然ガスを採掘現場から精製施設に運搬する部門だ。ガーラントCEOは米国の石油・天然ガスブームを逃さず2012年、フィリップス66はパイプライン、精製プラント、輸出用基地を建設。2015年のフィリップス66の設備投資の半分以上、46億ドルはこれらの分野に投じられている。

フィリップス66はBNSFの主要な顧客となっている。米石油生産が急増してパイプラインの能力が限界を超えると、フィリップス66のような「川中」企業は鉄道への関心を高めた。BNSFは鉄道原油輸送のトップとなったのだ。2014年、フィリップス66は鉄道車両積み下ろし施設をBayway、Ferndale両精製所に建設。取り扱い可能原油はそれぞれ一日7万5,000バレル、3万バレルで、同様な施設をさらに建設中だ。同社は1万1.000台の車両を有する、業界でも最新鋭の原油輸送体制を整えたとしている。

これに対して同業のTesoroやValeroは、古い輸送車両に対して過剰な料金請求を行ったとしてBNSFを提訴している。

フィリップス66とBNSFの提携効果は目覚ましい。BNSFの鉄道網はほぼフィリップス66の精製施設をカバーしている。もし、フィリップス66が自らの鉄道資産を売却しようとすれば、当然BNSFが買い手となるだろう。

重要なことはフィリップス66はバークシャー・ハサウェイの資金を必要とせず、設備投資や配当に十分なキャッシュフローを生み出しているということだ。これが、2013年、バフェット氏がフィリップス66を買収した理由だ。現金ではなく所有していたコノコ・フィリップスの14億ドル相当の1,900万株で支払っている。フィリップス66は元来、コノコ・フィリップスの化学事業の一部門で、パイプラインの能力を最大化させる内部のポリマーコーティングを手掛けていた。バークシャー・ハサウェイはフィリップス66の買収後、lubrizol部門に統合している。

このような措置はフィリップス66にとって最適な効果を与え、2012年以来、70億ドル相当の自社株買いや株主還元を行い、発行済み株式数を14%減らす一方で四半期ベースでの一株当たり配当は20セントから56セントに引き上げている。

フィリップス66はさらにlubrizol部門に適合した特殊な製品を作っている。これらの化学製品の収益率も高いが、ヒューストン近郊に60億ドルの新エタンプラントを建設するシェブロンとの合弁CPChemはさらなる期待を抱かせる計画だ。このために資金が必要となるが、フィリップス66はバフェット氏との取引によって自社株買いを引き続き進め、株価を維持していくだろう。バークシャー・ハサウェイはフィリップス66株から配当利回り3%、1億3000万ドルの収入を得ている。

文=クリストファー・ヘルマン(Forbes)/ 翻訳編集=加藤雅之

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