不調が伝えられるツイッター社の株価は最近、IPO当時の価格を割り込んだが、同社の将来には「明るい兆しが見える」とアナリストは述べた。SunTrustのアナリスト、ロバート・ペックは8月31日、ツイッター株の評価を買い推奨に上げ、間もなく訪れる良いニュースについて述べた。
投資家を再び興奮させ株価を上昇させるだろう兆しには、同社の新CEOの決定と多様な新製品の立ち上げ、ユーザ数と売上の成長をもたらす提携話等が含まれている。
ペックは同社が新CEOをレイバー・デー(9月7日)の頃に指名すると予想。共同創業者で決済会社Squareの代表を務めるジャック・ドーシー、Medium代表のエヴァン・ウィリアムズ、グローバル収益及びパートナーシップ担当のアダム・ベインらを含む三頭政治を予測している。
ジャック・ドーシーは現在、同社の暫定CEOの役割を果たしている。彼は6月に前CEOのディック・コストロが辞任を発表して以来、その後を継いでいる。
ツイッターはいくつかの新製品の開発を行っており、新規ユーザ数とエンゲージメントを増やすつもりだ。同社はメインストリームの存在になっていない点を投資家から批判されている。直近の収支報告では同社は95%のブランド認知率を示したが、浸透率は30%に過ぎなかった。
10月にリリース予定の「プロジェクト・ライトニング」では、コンテンツのキュレーションを行い、ツイッターをよりユーザフレンドリーにする。Googleとの再連携の開始で検索結果にツイートが表示されるようになり、政治家やセレブの情報を得たいユーザーへのリーチを強める。ツイッターはさらにFlipboardやヤフー、ニューヨークタイムズ、ESPN、NFL等の提携し、コンテンツの流通プラットフォームとしての存在感も強めていく。
しかしながら、それでもペックはツイッターのユーザ数に関しては控え目な成長を予測している。同社の収益性を向上させるには、既存ユーザーをいかにマネタイズするかが重要だ。アカウントを持ってはいるが、ログインしないユーザーらを復帰させる事も大事なポイントと言える。
ツイッターは今後、さらに広告に注力する。今年後半にはGoogleのDoubleClickと連携し、購入ボタンを導入。Eコマース企業が消費者に対し同社のプラットフォームで直販が可能になる。また、ビデオ広告をリリースし、広告ターゲティング技術にも磨きをかけている。
ペックの楽観的な見方は、ツイッターが迅速に新CEOを指名し、新たな成長を推進することを前提としている。彼はまた、投資家は忍耐強く見守る必要があり、業績の好転には時間がかかると述べた。
しかし、ツイッターが過ちを犯せば、同社は戦略的な買収対象となりFacebookやGoogleの格好の獲物になるとペックは考える。この場合、投資家らのリスクは軽減される。劣化した株価が買収対象になることで、魅力を持つからだ。
ツイッターの株価は今年に入って22%下がり、8月前半には公開価格の26ドルを下回った。8月31日の格上げによりツイッター株は3.5%の急上昇を見せ、27.79ドルになった。