暗号資産

2025.04.24 17:00

米投資銀行キャンター、ソフトバンクなどと「ビットコイン投資会社」設立へ

新会社を率いるストライクの創業者ジャック・マラーズ(Jason Koerner/Getty Images for Bitcoin Magazine)

新会社を率いるストライクの創業者ジャック・マラーズ(Jason Koerner/Getty Images for Bitcoin Magazine)

投資銀行のキャンター・フィッツジェラルドとステーブルコイン大手のテザー、さらに日本のソフトバンクグループが提携し、「Twenty One Capital(トゥエンティワン・キャピタル)」と呼ばれる機関投資家向けのビットコインの投資会社を立ち上げる計画が明らかになった。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が4月23日に報じている。

この新会社は、キャンターの関連会社がスポンサーとなっている特別買収目的会社(SPAC)キャンター・エクイティ・パートナーズ(CEP)との合併を通じて上場予定とされている。

キャンターを40年にわたり率いてきたハワード・ルトニックは現在、米国商務長官を務めており、同社の経営は27歳の息子ブランドン・ルトニックが引き継いでいる。トゥエンティワンの過半数の株式は、テザーとその関連取引所であるBitfinex(ビットフィネックス)が保有し、ソフトバンクは少数株主となる。ビットコイン決済企業ストライクの創業者ジャック・マラーズがCEOを務める。

FTによると、テザーとビットフィネックス、ソフトバンクの3社は、それぞれ15億ドル(約2140億円)と6億ドル(約856億円)、9億ドル(約1280億円)相当のビットコインを出資する予定で、トゥエンティワンは約36億ドル(約5140億円)相当のビットコインを保有した状態で始動する。

これにより、トゥエンティワンは、現状のビットコインの保有額が約50億ドル(約7130億円)のストラテジー(旧称マイクロ・ストラテジー)や、約45億ドル(約6420億円)のマイニング企業MARAに次ぐ、世界で3番目に多くのビットコインを保有する企業となる。同社は、ストラテジーと類似したビットコインの財務戦略を取ることを構想していると報じられている。

「当社は、ビットコインを基盤とした金融商品を支える企業構造の構築を目指す。ここには、ネイティブな貸付モデルや資本市場向け商品、そして従来の金融ツールを代替する将来のイノベーションが含まれる」とトゥエンティワンはプレスリリースで述べている。

取引完了までの間、キャンター・エクイティ・パートナーズの株式はナスダックで、これまでどおり「CEP」のティッカーシンボルで取引される。取引完了後の株式は、トゥエンティワンとして「XXI」のティッカーで取引される。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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