米国人ビリオネアのウィンクルボス兄弟は、「究極のシンデレラ・ストーリー」に賭けている。彼らは、プレミアリーグへの参戦を目指すセミプロのサッカークラブの共同オーナーとなる契約を結んだのだ。
先日、キャメロン・ウィンクルボスとタイラー・ウィンクルボスは450万ドル(約6億7400万円)の出資を完了し、Real Bedford FC(レアル・ベッドフォード・フットボールクラブ)の共同所有権を取得した。この契約は4月にレアル・ベッドフォードから発表されていたが、条件が整ったのは出資の直前になってからだった。
これにより、ウィンクルボス兄弟は、2021年に同クラブを購入し、現在も過半数の所有権をもつピーター・マコーマックと手を組むことになる。彼はベッドフォード在住で、暗号通貨関連のポッドキャスターとしても知られる人物だ。
「キャメロン、タイラー、ピーターはみんな、ビットコインに対する深い信念を持っており、ビットコインがプレミアリーグ入りを目指すレアル・ベッドフォードを後押しするというビジョンを共有している。タイラーとキャメロンはまた、変革的なスポーツの力を身をもって理解している」と、レアル・ベッドフォードはこの買収を発表した際に述べている。
ウィンクルボス兄弟は、自身が設立した投資会社のウィンクルボス・キャピタルを通じてレアル・ベッドフォードに出資し、それぞれが同クラブの取締役会の席を持つことになる。
マコーマックがレアル・ベッドフォードを購入して以降、同クラブはここ2年で連続昇格を果たしており、プレミアリーグへと駆け上がるプロセスを始めている。クラブは現在、英国のサッカーリーグ・システムにおける「8部」で戦っている。
レアル・ベッドフォードは、俳優のライアン・レイノルズとロブ・マケルヘニーが2020年に買収したレクサムAFCの後に続こうとしている。ウェールズを拠点とするレクサムAFCはすでに、「ノンリーグ(5部から10部の総称)」の位置から3部まで昇格を果たした。レクサムAFCのオーナーたちもまた、プレミアリーグ昇格を目指している。
ウィンクルボス兄弟は、ハーバード大学の同級生だったマーク・ザッカーバーグに対し、ソーシャルネットワークのアイデアを盗んだと訴えたことで有名だ。のちに、彼らの争いは映画『ソーシャル・ネットワーク』で描かれた。
彼らは2012年、ザッカーバーグとの訴訟和解金として受け取った6500万ドル(約97億円)の一部を使い、ビットコインへの投資を始めた。彼らは2014年に暗号通貨取引所のジェミニを共同設立し、そのジェミニは2022年からレアル・ベッドフォードのスポンサーとなっている。