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2025.04.24 08:15

弁護士はAIに仕事を奪われない職業か

Getty Images

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法律相談をするなら人間の弁護士かAIか? 専門知識を持ち人との交渉ができる弁護士はAIに奪われにくい仕事とされているが、はたして安泰と言えるのか。アンケート調査の結果には、微妙な傾向が表れた。

法律相談や弁護士の紹介を行うサービス「弁護士ドットコム」が、会員571人を対象に実施したアンケート調査によると、法律相談で弁護士によるものとAIによるものとがあった場合、6割以上の人が弁護士を選ぶことがわかった。AIを利用したいと答えた人は1割強と極端に少ない。AIは信頼性が低い、感情面での対応力に欠けるといった理由から人間の弁護士を好む結果になったようだが、これはあくまで費用などの条件は考慮しないという前提があっての話だ。

法律相談の相手に求められる12の資質について、AIと弁護士のどちらが期待できるかを尋ねると、それぞれに期待する部分の違いがハッキリと表れた。弁護士に相談するとなると、まず心配するのが費用だ。弁護士は高いというイメージがある。そのためか「コスト低減」においては、8割以上の人がAIと答えた。弁護士は1割にも満たない。「アクセスのしやすさ」も同様に8割以上の人がAIをあげている。さらに、「迅速なやりとり」も6割以上の人がAIを支持している。

一方、人間の弁護士ならではと思われる「関係各所との交渉力」、「訴訟手続きへの手助け」、「解決策の提示」など、信頼性や親切心などの人間的なサポートに関しては、弁護士が圧倒的な支持を得ている。12項目でAIが勝利したのは5項目のみだった。

しかし、弁護士に期待する資質のなかには、「プライバシーや守秘義務の遵守」、「情報の正確さ」、「リスク管理」、「関係機関の紹介」、「解決先の提示」など、現時点のAIの力量では心細いと思われるものが含まれている。言い換えれば、学習によってAIも獲得できる資質だ。

また、AIには秘密を打ち明けやすいという、人間ではないからこその「安心感」も、とくにAIを日常的に使っている人たちの間で評価が高い。AIの進歩は早い。どんどん学習して人間に匹敵する能力を獲得していく様子は、生成AIの急速な進歩を見てもわかるとおりだ。AIのほうが信頼できると感じさせる項目は、次々に増えていくはずだ。AIに代替されにくい職種とされてきた弁護士だが、おちおちしてはいられない。

では、AIに代替できない弁護士の資質はなんだろう。それは、相談者の気持ちに寄り添って、親身に対応することで安心感を与えてくれることだろう。そうした人情あふれる弁護士が、AIを活用して効果的なサポートを提供するというのが落とし所のようだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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