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2025.04.14 13:00

アップルが「スマートグラス」を開発中、メタのRay-Ban Metaを意識との噂

メタのスマートグラス「Ray-Ban Metaグラス」(JLStock / Shutterstock.com)

メタのスマートグラス「Ray-Ban Metaグラス」(JLStock / Shutterstock.com)

アップルのMR(複合現実)ヘッドセットApple Vision Proは、驚異的なテクノロジーをかたちにしたと報じられているが、同社はより軽量なAR(拡張現実)グラスの製造にも強い意欲を示しているようだ。この背景には、メタのスマートグラスRay-Ban Metaグラスが成功を収めたことが挙げられる。

メタのこのメガネ型デバイスは、現状ではAR機能を持たないが、将来的にAR対応モデルの登場も期待されている。

ブルームバーグのマーク・ガーマンが最新のニュースレター「Power On」で伝えたところによれば、アップルはApple Vision Proの新型モデルに取り組んでおり、その中には現行モデルよりも軽量かつ手頃な価格のモデルが含まれているという。

しかし、ガーマンによればこれらはすべて、クックがここ10年の間、変わらず抱いてきた壮大なビジョンへの足がかりに過ぎないのだという。「クックは、本物のARグラス、つまり顧客が一日中着用できる軽量なメガネ型デバイスを実現したいと考えている。それは、AR機能によって現実世界の視界にデータや画像を重ねるものだ」とガーマンは述べている。

これはクックの「壮大なビジョン」であると同時に、彼の最重要課題でもあるとガーマンのレポートは指摘している。クックはこの構想をアップルの最優先事項としており、メタに先んじて業界をリードする製品を完成させることに執念を燃やしているのだという。「ティムはそれ以外に関心がない」と事情に詳しい人物は語っており、「彼が製品開発において時間を費やしているのはこの件だけだ」とガーマンは強調している。

このようなハードウェアが実現するにはまだ時間がかかると広く認識されているが、メタのスマートグラスの成功はアップルの目に留まったようだ。

それは不思議なことではないと筆者は考えている。筆者は最初こそ、Ray-Ban Metaグラスに懐疑的だったが、時間が経つうちにそのクオリティの高さに納得させられた。このデバイスは、スタイリッシュなフレームに直感的に操作できる機能を備えたもので、音楽を聴いたり写真を撮ったり、自分が見ているものが何かを尋ねるといった操作がスムーズに行える。

ガーマンによると、アップルも同様の製品を模索しているのだという。「メタはすでに、写真撮影やAI向けに特化したAR機能を持たないメガネ型デバイスで成功を収めており、それを足がかりにARグラスへと向かっている。アップルも同様に、中間的なソリューションを探っている。それは、今後の数年のうちにApple WatchやAirPodsに人工知能(AI)に対応するカメラを搭載するというものだ」と彼は述べている。

しかし、アップルはプライバシーを重視する姿勢をとっているため、メタのスマートグラスのようにコンテンツを収集する機能が搭載されるかどうかは不明だ。ガーマンのレポートは発売時期について触れていないが、アップルによるスマートグラスの開発が進んでいるという情報だけでも、わくわくさせられる話だ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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