コントロール可能なことに集中する
無力感に対抗するには、行動を起こすのがよい。手の届かないところで世界が回っているときは、自分にできることに集中しよう。株価の下落を食い止めたり、関税を元に戻したりはできなくても、自分の財布を管理したり、不測の事態に備えて貯金したり、スキルアップしたりはできる。
家計に余裕がなければ無駄な出費を1つ減らすなど、小さなことから始めよう。無料オンラインコースに登録するのもおすすめだ。LinkedInの2023年労働力報告書によると、過去の不況時にスキルアップに努めた労働者の63%が、雇用の安定性が向上したと答えている。一歩前進するごとに、あなたの主体性は強化される。
年中無休のニュースやSNSはパニックを増幅させ、悲惨な予想であなたをめった打ちにする。ピュー・リサーチ・センターの2024年の調査では、米国人の71%が絶え間ないニュースに圧倒されていると感じており、中でも最新の経済情報が最大のストレス要因となっていた。
境界線を引こう。ウォール・ストリート・ジャーナルなど、信頼性の高い情報源のみを選ぶのだ。SNSを常時チェックして軽率に最新情報を得るのはやめる。悲観的なニュースばかり追う習慣も減らそう。元気の出るポッドキャストを聴いたり、散歩をしたり、もっと力が湧くことをしよう。しばらく話していない家族や友人に連絡を取るのもいい。
それでも不安なら、自分の状況を理解してくれる同僚やメンター、友人に相談してみてはどうだろうか。彼らも同じように感じている可能性が高い。ギャラップが2022年に行った調査によれば、労働者の78%が今後の見通しが立たないときは職場の支援ネットワークが命綱になると考えており、45%が実用的な仕事情報を得ていた。
朝のコーヒー、午後のサイクリング、夜の読書など、毎日の習慣を確立することだ。そうすれば予測可能性と快適さが生まれる。仕事が不安定に感じたら、転職活動の準備を始めよう。計画どおりに日課に取り組んでいると、危機の際に不安が27%低下することが、学術誌Journal of Occupational Health Psychologyに2021年に掲載された研究結果でわかっている。
最悪のシナリオばかりくよくよ考えるのはもうやめだ。気分が沈むだけだ。個人的なことでも仕事上のことでもいいから、これまでどんな困難を乗り越えてきたかを振り返ってみよう。レジリエンス研究所の2024年の調査では、68%の労働者が過去に立ち直った経験を思い出すことで気持ちが落ち着いたという。これは、不安を解消できなくても、不安と将来の見通しとのバランスをとることはできるということだ。
日々の目標を設定しよう。LinkedInのプロフィールを更新し、仕事で成功したことがあればお祝いをしよう。こうした勢いが勇気を生み、新たな自信を育んで、憂いを鎮めてくれるはずだ。