国際現代美術展「岡山芸術交流」などを開催する公益財団法⼈⽯川⽂化振興財団が4月6日、現代美術館「ラビットホール」を岡⼭市に開館。2011年から蒐集されたプライベート・コレクション「イシカワコレクション」を常設展⽰する。
また、ラビットホールの開館にあわせ、「ラビットホール別館 福岡醤油蔵」も、芸術、教育、⾷⽂化の複合施設としてリニューアルオープンする。
開館記念「イシカワコレクション展:Hyper real Echoes」
イシカワコレクションは、彫刻や⼤型インスタレーションを中心とした国内外のコンセプチュアルアート、約400点で構成される。これまでに、「幸福はぼくを⾒つけてくれるかな? ― ⽯川コレクション(岡⼭)からの 10 作家―」や「イシカワコレクション展」などの展覧会して一般公開をしてきた他にも、国内外の美術館や芸術祭へ積極的に作品貸出を⾏なってきた。

開館を記念して4⽉6⽇から開催される展覧会「イシカワコレクション展:Hyper real Echoes」では、フィリップ・パレーノや、ピエール・ユイグ、リアム・ギリッ ク、マーティン・クリードなど、厳選した約30⼈による作品約40点を公開する。
また、同日より「ラビットホール別館 福岡醤油蔵」の芸術エリア、福岡醤油ギャラリーではイギリス出⾝のコンセプチュアル・アーティスト、ライアン・ガンダーによる 「Together but not the same」展も開催。ガンダーは、彫刻、映像、アパレルデザイン、建築、絵画、出版物、パフォーマンスなど、さまざまな形で具現化した多元的な作品を通じて、世界中から⾼い評価を得ている作家だ。

岡⼭の旧⽂化施設を改修
ラビットホールの建築は、「青森県立美術館」や「京都市京セラ美術館」を手がけた建築家、⻘⽊淳によるもの。隣接する前川國男建築の林原美術館の⽯垣が⾒えるよう、絵画や⼯芸品を蒐集した実業家の林原家がゲストハウスとして使⽤していたルネサンスビルを改修した。
建物を改修する際、建物の歴史とイシカワコレクションの作家を尊重した青木が財団理事長の⽯川康晴に伝えた「10年かけて作家に壊してもらう美術館にしたい、数年後、新たな美術館を建てれば良い」と⾔葉が、作品展⽰によって創造的に壊れていく「プロセスが⾒える⽣きた美術館」というコンセプトになったという。
岡⼭城や後楽園のある岡⼭市のカルチャーゾーンで、ラビットホールで最先端の現代美術を鑑賞し、林原美術館で古美術を鑑賞するという、新たな人の流れも生まれるはずだ。