米国発のマッチングアプリでは、選択肢に「カジュアルな関係」「ENM」も
マッチングアプリや結婚相談所では、相手に求める項目を羅列するわけなので、その中に、とくに「結婚」という目的に限定していないアプリの場合、どういう関係性を求めているかという項目を含めるのは効率的だ。
例えば、アメリカの会社が運営するマッチングアプリBumbleのプロフィールでは、自分が希望する関係を(1つもしくは2つ)選ぶことができる。
例:
長期的な(真剣な)関係:A long-term relationship
楽しい、カジュアルな関係:Fun, casual dates
結婚:Marriage
コミットメントなしの親密な関係(割り切った関係):Intimacy, without commitment
人生のパートナー: Life partner
ENM:Ethical non-monogamy
カジュアルな関係から、結婚、エシカル・ノン・モノガミーまで、多様な選択肢が用意されているところがさすがダイバーシティやLGBTが進んでいる(いた)アメリカ発のアプリと言うべきか、それとも、ターゲットを特に絞っていないアプリだと捉えるべきか。
さらなる補足になるが、ENMに加えて最近よく耳にするのがSapio-Sexual、サピオセクシャル。知的な人や相手の知性に性的な魅力を感じるという志向である。これは関係性がモノでもポリでも成立するので、Bumbleの選択肢にはなかった。正直になるとすれば——。このコンセプトには、知性フェチの傾向のある筆者も、けっして共感を感じなくはない、と告白しよう。
高以良潤子◎ライター、ジャーナリスト、インストラクショナルデザイナー。シンガポールでの通信社記者経験、世界のビジネスリーダーへの取材実績あり。2015年よりAmazon勤務、インストラクショナルデザイナーを務めたのち、プログラムマネジャーとして、31カ国語で展開するウェブサイトの言語品質を統括するなど活躍。2022年より米国系IT企業勤務。