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2025.04.01 11:30

S&P500、3月は「2022年以来最悪」に 経済の不確実性高まる

Michael M. Santiago/Getty Images

Michael M. Santiago/Getty Images

3月31日、ドナルド・トランプ米大統領による関税引き上げに対する悲観論と、それに関連する景気後退への懸念が株価を圧迫し、ひと月と四半期を締めくくる日としては残酷なものとなった。

31日の朝、米国の主要株価指数は揃って下落した。午前半ばまでに、ダウ平均株価とS&P500種株価指数は1%以上下落し、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も午前中に2%以上下落した。その後、各指数は日中に回復し、ダウとS&P500は前日比プラスに、ナスダックは前日比小幅のマイナスまで持ち直した。

3月と2025年第1四半期の最終日であったこの日が終わって見ると、直近の下落率は驚くべき数字となった。 ダウは3月に5%、今四半期で2%下落した。そして、S&P500は3月に6%、今四半期に5%の下落、ナスダックは3月に8%、今四半期に10%の下落となった。

S&P500とナスダックの3月の月間下落率は2022年12月以降で最大となり、四半期としても2022年以降で最悪となった。

S&P500は3月31日、2月19日につけた史上最高値を10%以上下回り、9月初旬以来の日中最安値を更新した。

この日の下落は、またしてもトランプ大統領のコメントが引き金となった。トランプは公表日が迫る相互関税について「すべての国」が対象だと述べ、ゴールドマン・サックスは、このことがインフレを悪化させ、景気後退を招くと予測した。ゴールドマンのストラテジストは、S&P500の今後3カ月間における目標株価を5300ポイントに引き下げ、6月末までにさらに4%の下落を予想した。

テスラとエヌビディアの株価は3月31日の取引でそれぞれ1%と2%下落し、この日の下落株の筆頭となった。テスラ株は3月に15%、年初来で38%下落しており、エヌビディア株の3月の下落率である16%、今四半期の下落率である22%にほぼ匹敵する。アマゾン、ブロードコム、パランティアなど他のAI関連株もこの日の取引で少なくとも1%下落した。

ファクトセットのデータによると、S&P500に上場する企業は3月に3兆ドル(約450兆円)もの時価総額を失った。この数字は、世界最大の企業であるアップルの時価総額に匹敵する。

投資家はリスクの高い株式を現金化し、安全な逃避先である貴金属に投資している。金の価格は3月31日、トロイオンスあたり3100ドル以上となり、またもや史上最高値を更新した。ファクトセットによると、金は2025年第1四半期に20%近く上昇し、1986年以来最高の四半期となるペースだ。

11月にトランプ大統領が2期目の任期を獲得した当初、規制緩和や法人税引き下げへの期待により株価は急騰し、S&P500は翌月に5%上昇した。しかし、就任以来トランプが固執する関税の引き上げと、しばしば変更される貿易政策をめぐる不確実性は、投資家の反感を買った。関税の引き上げにより、企業は輸入価格の上昇に直面し、関税コストを吸収するか、消費者に転嫁するかを迫られており、幅広い銘柄に打撃を与えることとなった。トランプ大統領は今月初め、「市場は上がったり、下がったりするものだ。我々はこの国を作り直さなければならない」とコメントしており、市場の動向に関する関心の低さを見せた。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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