【重要なお知らせ:当社を装った偽サイトにご注意ください】

マーケット

2025.03.24 09:15

首都圏中古マンションの高騰、その背後にあるものは

gettyimages

gettyimages

2025年2月、首都圏(一都三県)の中古マンションの新規売出価格が過去に類を見ない水準まで高騰したことが、東日本不動産流通機構の最新レポートで明らかになった。この価格高騰の背景には何があるのか。マンションリサーチ株式会社の調査結果をもとにその原因を探っていく。

※今回の調査では都心5区は『千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区』を指す。

一般向けマンションと富裕層向けマンションの乖離

以下のグラフでは、首都圏の中古マンション成約、新規登録、在庫の㎡単価推移を示している。成約㎡単価は前月比で減少したが、新規登録㎡単価は一貫して右肩上がりの傾向を見せ、2025年2月には過去最高水準に到達した。


しかし、一般向けマンションと富裕層向けマンションでは価格推移に大きな違いが見られる。まずは下記のグラフを見てほしい。これは東京都23区内の9000万円未満の一般向けマンションの成約・新規登録坪単価を示しているが、どちらも乖離せず横ばいに推移していることがわかる。


一方、富裕層向けマンション(9000万円以上)では、新規登録坪単価が成約坪単価を大きく上回っており、その乖離が拡大している。富裕層向けの高級マンションの売り出し価格は実際の成約価格よりもかなり高い傾向にある。つまり、一部の高級マンションの「強気な売り出し価格」が、全体の相場を高く見せているということだ。 

また富裕層向けマンションの築浅物件への需要の集中も価格上昇の原因ともなっているようだ。下記のグラフは東京都23区の富裕層向けマンションにおける築年帯別の新規売出件数割合を示しており、2006年以降築の物件が約7割を占めている。築年の浅いマンションが高価格帯で売り出されることも価格上昇を加速させていると見られる。

次ページ > 新築物件の配給が追いついていないことも原因に

文=福島はるみ

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事