ロシアの自動車ブランド「ラーダ」の小型車は装甲がまったくなく、重量も1t程度しかない。ロシアがウクライナに対して起こして3年1カ月半たつ全面戦争の前線では、ドローン(無人機)が常に目を光らせ、地面が穴ぼこだらけになるほど砲弾が飛び交うなか、ラーダ車はもともと非常に脆弱だ。そして後部に重量9kgほどのTM-62対戦車地雷を積めば、それはたんに脆弱な存在から破滅的な爆発物へと変わる。
ロシア首脳部は1カ月ほどの間、西部のクルスク州からウクライナ軍の強力な部隊を排除することを優先させた。それに伴う小休止を経て、ロシア軍はウクライナ東部ドネツク州の要塞都市ポクロウシクの郊外で再び攻撃に乗り出している。ウクライナ軍はクルスク州で補給線を断たれ、大半の部隊が撤退に追い込まれた。これにより、ロシア軍はポクロウシク方面での新たな攻勢にリソースを割けるようになった。
しかし、ロシア軍はそのリソースの一部をすでに浪費している。先週、ポクロウシクの南方でウクライナ軍のドローンの群れをかいくぐるのに失敗し、最新のT-90M戦車少なくとも1両を含む装甲車両12両を失った。クルスク方面の状況が緩和されたとはいえ、ロシア軍はなお現代的な装甲車両が不足しており、多くの部隊がラーダ車や「ブハンカ」の愛称で知られるバンなど、民生車両や軍民両用の車両に乗って戦闘に入っている。
「突撃の時間だ。みんなラーダに乗り込め」。アナリストのアンドルー・パーペチュアが以前、ある画像に添えて言っていたように。
全長4mかそこらのラーダ車による突撃は、地雷を踏んだり砲弾を浴びたり、あるいはFPV(一人称視点)自爆ドローンに突っ込まれたりして、乗員と歩兵にとって悲惨な結果になることが多い。
脆いラーダ
重量40tかそこらの戦車であれば、自爆ドローン10機程度の攻撃に耐えられる場合もあるかもしれない。だがラーダ車の場合、たとえドローン対策のケージを追加していたとしても、ドローン1機の攻撃ですら生き延びられないケースがほとんどだ。しかもラーダのような車は、ウクライナで春の到来とともに柔らかくなっている土壌でぬかるみにはまりやすく、そうなると格好の攻撃目標になってしまう。