5万円~の投資額を決めたらあとは放置でOK
ワイン投資のサービスでは、最低5万円~コースによって決めた投資金額に応じて社内専門家が希少性のあるワインを顧客に合わせて選定、ワインの熟成に最適な専用倉庫で安全に保管してくれる。クラウド管理システム「クラウドワインカーブ」では、液面低下 ・インポーター名・エチケット状態などのワイン保管状況を見える化し、リアルタイムな時価評価も含め表示される仕組みだ。つまり一度投資した後は、アプリを眺めて動向をチェックしていれば良いというわけだ。

これまで行っていたワイン投資・クラウド管理に加え、同社が今年2月末に発表した新サービスが、会員の保有ワインを対象とした二次流通プラットフォーム「マーケットプレイス」だ。このシステムを用いることで、希少なファインワインを会員間で手軽に売買できるようになった。
「マーケットプレイス」では、市場にはなかなか出回らないバックヴィンテージも取り扱うため、希少性が高いワインも即決で売買できるのが魅力だ。
ヤフーや楽天、フリマサイトなどの課題解決にも
このシステムを開発した裏側には、現状の二次マーケットへの課題を解決したいという思いがある。現在もヤフーや楽天といった通販、オークションなど二次マーケットは存在するが、プラットフォームの選択肢が少なく、適正な購入・売却価格が不明だったり、希少銘柄が入手困難だったりと売り手・買い手側双方に課題があった。
さらに、鑑定家のいないフリマサイトなどでは、ワインの真贋や状態(劣化していないか)への不安もある。「オークションの信頼性とフリマの手軽さで、正規ワインの売買を楽しめるサービスシステム」として開発したマーケットプレイスでは、身元の分かる会員間での売買に限定し、入手ルートのわかる正規品のみを取り扱うことで信頼性を担保する。
会員にかかるコストは、管理手数料(所有ワインの残高に応じ年率2.35~2.95%)売却時手数料(売却金額の10%)、自己消費の際の配送料。預けていたワインを自身で飲みたい場合には、関東近郊であれば要望の翌日から最短3営業日で配送可能だ。

トップソムリエの井黒卓氏は、「マーケットプレイスを利用して正規品のバックヴィンテージを適正価格で買えるのは、飲食店にとっても魅力的。現行ヴィンテージを購入しても、若すぎて提供できないジレンマを感じることも多いが、それも解決できるのでは」と飲食店が本サービスを利用した際のメリットを解説した。

現在、1億円前後を投資している個人投資家や上場企業オーナーもいるという。将来的には、現状のワイン預かり資産24億円から2027~28年には100億円を目指し、流通量預かり資産ともに業界トップを目指す。
投資対象だけでなく、自己消費ができるのがワイン投資の醍醐味でもある。クラウドで管理したワインは、簡単に売買できるだけでなく、もちろん自分で楽しんだり贈答用にしたりもできる。「5万円程度から投資もできるため、富裕層のみならず、ワイン好きの方にもご活用・ご満足いただけるだろう」と力を込める中野氏。
ワイン投資は為替変動の影響を受けないわけではないが、そもそもの資産価値がゼロになるになるリスクは低い。今後、趣味を兼ねた投資候補として、ポートフォリオに加えることを考える人も増えそうだ。