2025年の「世界幸福度報告書」が20日に発表され、またしてもフィンランドが「幸せな国」としての金字塔を打ち立てた。同国は8年連続で首位の座を確保している。他方で米国は24位に転落し、2012年に初めて同報告書が発行されて以降、最低の順位を記録した。
この報告書は、世界140カ国以上を対象に国民の幸福度をランキング化したもの。英オックスフォード大学が米調査会社ギャラップらと協力し、各国の社会的支援や健康寿命、汚職度、寛大さなどの要素を考慮している。同報告書は国連が定めた3月20日の国際幸福デーに合わせ、毎年発表されている。
今年のランキングは例年通り、北欧諸国が上位を占めた。この流れは2019年以降変わっていない。1位のフィンランドに続き、2位にデンマーク、3位にアイスランド、4位にスウェーデンが入った。ノルウェーは7位だった。一方、最下位はアフガニスタンだった。
世界で最も幸せな国、フィンランド
では、世界幸福ランキングで最強を誇るフィンランドの秘密とは何だろうか? フィンランド政府観光局で国際マーケティングを担当するヘリ・ヒメネス部長は、「社会的要求や地域社会への帰属意識を大切にすることは国民性の不可欠な部分であり、創造性の源泉だ」と説明した。
その他の理由としては、充実した社会福祉制度や自然との深いつながりが挙げられる。サウナ文化もここに含まれるだろう。フィンランド人の9割近くが毎週サウナを利用している。同国は汚職が少なく、教育や医療の水準も高いほか、ワークライフバランスを重視する文化も国民の幸福感を高めている。回復力、決断力、内面の強さを組み合わせたフィンランドの「シス」という概念も重要な役割を果たしている。
フィンランドをはじめとする北欧諸国は寒くて暗い冬で知られているが、夏の日が長いことでバランスが取れている。報告書の執筆者らは、天候はそれほど重要ではないと指摘する。「天気の変化が幸福感に与える影響は比較的小さい傾向があり、幸福感は人々の期待と季節のパターンに影響される。例えば、熱帯地方の人々は温帯地方の人々に比べ、冬は幸せだと答える割合が大きいが、春に幸せだと答える人は少ないことが分かっている」