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2025.03.26 09:15

マイナ免許証のデータ漏洩リスク 専門家が提唱した管理方法

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3月34日からマイナンバーカードと運転免許証を一体化した、いわゆるマイナ免許証の運用が始まった。しかし、セキュリティー上の不安から反対する人が多い。マイナカードは持ち歩いても安全な対策を入念に施していると国は主張するが、何が起きるかわからないのがサイバーセキュリティーの世界だ。

国際的なサイバーセキュリティー企業ノートンは、20代から70代の日本人1200人を対象に「マイナ免許証に関する意識と実態に関する調査」を実施した。それによると、マイナ免許証を申請予定の人は17パーセントであるのに対して、一体化に反対する人は45.3パーセントとなった。更新手数料の軽減といったマイナ免許証のメリットは約8割の人が理解しているにもかかわらず反対が多いのは、情報漏洩や不正アクセス、システム障害、セキュリティー対策への不安のためだ。

デジタル庁公式ホームページより。
デジタル庁公式ホームページより。

運転免許証を身分証明書がわりに持ち歩いているという人は90.3パーセントにのぼった。利用時に身分証明書の提示が求められるサービスも多く、免許証はなにかと便利だ。マイナカードを財布などに入れて携帯している人は60.2パーセントだった。保険証の一体化により医療機関ではかならず必要となるため、もしものことを考えると持ち歩いていたい。そこに免許証が一体化されたなら、マイナカードを持ち歩く人の割合はほぼ100パーセントになるだろう。いろいろなものが統合されたマイナカードは個人情報の塊に思える。そうなれば、紛失やデータ漏洩の心配が高まって当然だ。

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デジタル庁は、マイナカードは持ち歩いても安全だと話している。いろいろな機能が統合されても個人情報は分散管理されていて、権限を持つ行政職員が必要な情報にだけアクセスできる仕組みなので、簡単には盗み出せないとのことだ。第三者機関の個人情報保護委員会による監視も行われている。

また顔認証や、不正アクセスを試みるとチップが破壊されるなど、カード自体にも安全対策が施されている。ちなみに、カードのチップには個人情報は記録されていない。さらに、紛失した場合はクレジットカードのように電話をすれば即座に利用を一時停止できる仕組みもある。かなり厳重なシステムにはなっているが、サイバーセキュリティーに万全はあり得ない。運用者任せにしないで、自己防衛も肝心だ。

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文 = 金井哲夫

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