米国連邦航空局 (FAA) は米国時間3月6日夕方、SpaceXが所有するスターシップが試験打ち上げ後に分解したことを受け、マイアミ、オーランド、フォートローダーデール、パームビーチの各空港を出発する便の離陸を一時停止した。これでSpaceXのテストフライトは2回連続で失敗した。
FAAは、マイアミ国際空港、フォートローダーデール・ハリウッド国際空港、パームビーチ国際空港を出発予定の便に対し離陸停止を命じ、米国時間午後8時までの停止を指示していたが、現地時間の午後7時50分頃にはその命令を解除した。これはオーランド国際空港に対する離陸停止を解除した直後のことである。
離陸停止が解除されたにもかかわらず、FAA によればマイアミとフォートローダーデールからの出発便はその後平均45分ほど遅延したという。
スターシップの飛行試験は打ち上げとブースターの捕捉(回収)が成功した後、スターシップ本体とSpaceXとの交信が途絶え「急速かつ予定外の分解」に見舞われた。
搭載カメラには、スターシップがスピンして通信が途絶える様子が捉えられており、SpaceXは機体の姿勢制御を失ったと発表している。機体分解の様子を映した複数の動画では、バハマ、フロリダ、ドミニカ共和国などで、空を横切る明るい光の筋が確認された。
#SpaceX #Starship we are taking cover here in the Ragged Islands, Bahamas. Cross your fingers for us! pic.twitter.com/ncwGcFhC1B
— GeneDoctor (@GeneDoctorB) March 6, 2025
機体が制御を失い分解に至った原因は明らかではない。SpaceXは試験打ち上げ後の投稿で「本日の飛行試験のデータを見直し、根本原因をより深く理解したい」と述べている。
米国時間3月6日のスターシップ打ち上げは8回目のテストフライトで、ブースターが地上に降下後、捕捉されたのは3回目である。今回は機体システムのコアに問題が生じたため、予定を米国時間3月3日から3月6日に変更して実施されたが、2回連続で「急速かつ予定外の分解」による早期終了となった。1月にもスターシップは宇宙への上昇中に分解し、SpaceXは後に機体後部のリークによって圧力が高まり火災を引き起こした可能性があると報告していた。