北米

2025.03.09 14:00

10代若者の8人に1人が「AIポルノ」被害者と面識あり、米国最新調査

Shutterstock.com

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米国の非営利団体Thorn(ソーン)の新たな調査によると、18歳未満の米国人の8人に1人が、人工知能(AI)を使って作られたディープフェイクポルノの被害者を個人的に知っていると回答したという。また、17人に1人が、自身がディープフェイクの被害に遭ったと述べていた。

「米国の平均的な高校の、ほぼ1クラスに1人が被害を受けていることになる」と、Thornの研究責任者のメリッサ・ストローベルはフォーブスに語った。Thornは、オンライン上での児童の性的虐待コンテンツ(CSAM)の拡散防止に取り組む団体だ。「これは、すべてのコミュニティで発生している問題であり、社会として対応すべき時が来ている」と彼女は強調した。

AI技術が進化し、利用が簡単になるにつれて、ディープフェイクの入手や作成も容易になっている。特に、こうしたコンテンツはティーンの少女たちに重大な影響を及ぼしている。

Thornのこの調査は、2024年9月下旬から10月初旬にかけてオンラインで実施されたもので、13歳から17歳のティーンエイジャー700人以上を含む1200人以上を対象に行われた。前回の調査では、9歳から17歳の子どもの約10人に1人が、同世代の仲間がAIを使って裸の画像を作成している事例を聞いたことがあると回答していた。

この1年で、ディープフェイクポルノ画像が学校内で拡散するケースが急増している。例えば、2024年12月にペンシルベニア州の高校で発生した事件では、2人の男子生徒が学校の女子生徒のほぼ半数のディープフェイク画像を作成したとして告発され、刑事責任を問われている。

2023年末に娘がディープフェイクポルノの被害に遭ったニュージャージー州のドロタ・マニは、こうした被害が広がっていることに驚きはないとフォーブスに語った。

「親たちが子どものために行動を起こさなければ、このような事件が今後も続くことになる」と話す彼女は、先日議会の上院を通過した法案である「Take It Down Act(削除義務法)」について議論するために近々、ワシントンD.C.の議員らと面会する予定だという。

共和党のテッド・クルーズ上院議員らが提案したこの法案は、大手のSNS企業にディープフェイクポルノをプラットフォームから削除することを義務付けることを目的としたものだ。マニは、クルーズ議員に加えて、この法案への支持を表明したメラニア・トランプ大統領夫人とも会談する予定という。

この法案が成立すれば、本人の同意なしに作成・公開されたディープフェイクなどの性的な画像は違法とされ、プラットフォームは48時間以内の削除を義務付けられる。削除に応じないプラットフォームは、連邦取引委員会(FTC)によって罰金を科される可能性がある。

「今こそ、子どもたちにこの問題の深刻さを教え、学校の積極的な関与を促していくべなのです」とマニは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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