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2025.03.05 12:00

テスラ株が2カ月半で40%下落、イーロン・マスクの資産は17.5兆円減少

Shutterstock.com

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ここ最近の株式市場の低迷により、世界で最も裕福な人物であるイーロン・マスクの保有資産が大幅に減少した。トランプ政権のコスト削減担当を兼務するマスクが率いる電気自動車(EV)メーカー、テスラの株価が2カ月半で40%も下落したためだ。

フォーブスのリアルタイム推計によると、マスクの資産は3月4日に71億ドル(約1兆1000億円)減少し、3477億ドル(約52兆2000億円)となった。彼の資産は、テスラの株価が終値ベースの史上最高値の480ドルをつけた昨年12月17日に4640億ドル(約69兆7000億円)に達していたが、そこから1163億ドル(約17兆5000億円)減少している。

テスラ株の4日の終値は、昨年11月6日の大統領選の投票日以降の最安値の272ドルに沈んだ。この日の市場では、トランプ大統領がカナダ、中国、メキシコに対する関税を発動したことでS&P500が1%以上下落し、年初来の最安値を記録している。

マスクがここ2カ月半で失った1163億ドルという額は、世界で13番目に裕福な人物であるマイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツの資産(1081億ドル)にほぼ匹敵し、アジアで最も裕福な人物であるインドのムケシュ・アンバニの資産(856億ドル)を大きく上回っている。

テスラにとって中国は、米国に次いで2番目に大きな市場だ。また、同社は他の米自動車メーカーと同様にカナダからの部品輸入に依存している。そのため、テスラは特に関税の影響を受けやすい。

同社の最高財務責任者(CFO)のヴァイバヴ・タネジャは1月に、「依然として、テスラはすべての事業において世界中から輸入する部品に大きく依存している。関税は、当社のビジネスや収益性に影響を与えるだろう」と警告していた。

テスラの株価は、11月6日の大統領選の投票日から12月17日にかけて91%も急騰したが、その背景には、トランプの新政権がテスラにとって好都合な規制緩和を行うとのウォール街の見方があった。マスクは、昨年の選挙キャンペーン期間中にトランプと共和党に3億ドル(約450億円)もの政治献金を行っていた。

マスクの保有資産は、直近の下落を経た後も、投票日以降で833億ドル(約12兆5000億円)増加している。その一因として、スペースXやxAIといった非上場企業の評価額上昇が挙げられる。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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