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2025.02.26 12:30

欧州での売上半減で「テスラ株が8%急落」、時価総額1兆ドル割れ

Shutterstock.com

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米電気自動車(EV)メーカー、テスラの株価は2月25日の市場で8%以上も急落した。この株価の急落は、欧州自動車工業会(ACEA)が発表した1月の新車販売台数が前年同月比45%減の9945台にとどまり、2年ぶりの低水準となったことを受けてのものだ。

テスラの株価は、25日の市場で前日比8.4%安の302.8ドルに落ち込み、同社のCEOのイーロン・マスクの保有資産も1日で150億ドル(約2兆2400億円)近く減少した。時価総額も約9488億ドル(約141兆7000億円)に減少し、4カ月弱ぶりに1兆ドルの大台を割り込んだ。

マスクの保有資産は、25日午後に3653億ドル(約54兆500億円)に減少した。この額は、昨年12月17日のピーク時の4640億ドル(約69兆2000億円)から約1000億ドル(約14兆9000億円)のマイナスとなる。この日の市場では広範なテクノロジー株が売られ、ハイテク銘柄が多いナスダックも1%下落した。

2025年の年初に約380ドルだったテスラの株価は、年初来で20%安に沈んでいる。

欧州市場におけるテスラの新車販売台数の減少は、マスクが政治への関与を強めたタイミングと重なっている。ブルームバーグによると、1月の販売の落ち込みは特にドイツとフランスで顕著となっており、マスクが極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」への支持を表明しているドイツにおけるテスラの新車登録台数は、2021年7月以降で最低を記録した。また、フランスでも2022年8月以降で最低を記録した。

ウェドブッシュ証券のダン・アイブスが率いるアナリストのチームは、24日のレポートで、テスラの株価の低迷の原因に、マスクのトランプ政権への関与を挙げていた。彼らは特に、マスクが政府効率化省(DOGE)の役割に想定以上の時間を割いており、重要な時期を迎えたテスラの経営に集中できていないと指摘した。

また同レポートは、マスクのこうした行動が「一部の消費者のテスラ離れ」を引き起こす可能性を指摘しているが、一方でこのようなブランドへの悪影響が「制御可能な範囲内」のもので、「致命的なものではない」と述べていた。

マスクは、米政府の支出や無駄の削減を目指すDOGEの非公式なリーダーとして、トランプ政権への関与を深めているが、彼のチームの取り組みは、ますます物議を醸している。彼は、政府職員の人員削減にあたってツイッター(現X)の買収時に用いたものと同様の手法をとっており、それが反発を招いている。

マスクは、政府職員に対して過去1週間の成果をEメールで報告するよう求めているが、省庁の幹部の中には、職員にこうした要求に従わないよう指示する者もいる。マスクとトランプ大統領のチームは、民主党からの広範な批判に加えて、複数の訴訟や法的問題にも直面している。

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forbes.com 原文

編集=上田裕資

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