米株式市場は、2月28日に不安定な取引の中で反発して取引を終えたものの、2月の主要な株価指数は下げで終わった。投資家のトランプ大統領の経済政策への信頼が揺らぐ中、大統領の側近であるイーロン・マスクが率いるテスラが、2月の市場の下落を主導した。
主要な株価指数は、28日朝の時点では上昇していた。最新のインフレデータがエコノミストの予想と一致したことで、ダウ工業株30種平均やS&P500種指数、ナスダック総合指数は、いずれも米東部時間午前11時時点では約0.7%上昇していた。
しかし、これらの3指数は、午後に入ると下落に転じ、トランプとゼレンスキー大統領との鉱物資源をめぐる協議の決裂が報じられると下げが拡大した。それでも市場は、その後の取引で急回復し、ダウは最終的に1.4%高、S&P500とナスダックはともに1.6%高で28日の取引を終えた。
ただし、先月は米国の株式市場にとって厳しい月となり、ダウは2月の月初から1.6%下落し、S&P500は1.4%の下落、ナスダックは4%の下落だった。これにより、2月は、ダウとS&P500にとって昨年12月以降で最悪の月となり、ナスダックにとっては昨年4月以降で最悪の月となった。
S&P500は、1月20日のトランプの就任以降で0.7%下落しているが、昨年11月の大統領選の投票日以降では3%上昇している。
バンク・オブ・アメリカのエコノミストのアントニオ・ガブリエルらは、28日の顧客向けノートで、「トランプは株式市場を重視しており、彼の政策決定はしばしば市場の動きに左右される。しかし、トランプが今以上に株式市場寄りの政策をとらないと市場が考えるようになれば、大統領の信頼度は引き続き低下する可能性がある」と指摘した。
ウォール街は当初、トランプの勝利に対して強気に反応し、専門家はトランプを「史上最も株式市場に友好的な大統領」と評していた。しかし、投資家はその後のトランプの主要な経済政策の混乱や関税の引き上げ策を嫌気し、初期の上昇は失速した。