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暗号資産

2025.02.28 15:00

ビットコインが最高値から「25%の急落」、トランプ効果への失望で

Shutterstock.com

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ビットコインの価格は、2月26日に急落し、8万5000ドルを割り込んで8万2000ドル台に落ち込んだ。この背景には、直近の上昇を支えていたトランプ政権の勢いが失速し始めたことが挙げられている。

TradingViewのデータによると、世界で最も時価総額が高い暗号資産であるビットコインの価格は、26日の米国東部標準時午後3時頃に8万2100ドル台にまで下落した。この時点で、ビットコインの価格は、ピーク時の10万8000ドル超から約25%下落し、今年の最安値を記録した。

暗号資産市場は、ここ数カ月の間、上昇基調にあったが、この追い風は、トランプ大統領が再選を果たし、共和党が上下両院を掌握したことで、この分野に友好的な政策が実現するという期待から生じていた。

しかし、暗号資産関連の投資会社Psalionのマネージングパートナーであるティム・エネキングは、この状況について「昨年の大統領選以降にビットコインの価格は劇的に上昇したが、これまでの政権の動きは、具体的な施策をともなっていない」と指摘した。彼はまた、トランプによる関税政策や、政府効率化省(DOGE)を率いるイーロン・マスクの言動によって米政府内に混乱が広がったことで、「暗号資産などのリスクオン資産への追い風が失われつつある」と述べている。

また、複数のアナリストが、ここ最近のビットコインの下落について、より広範な要因を挙げている。調査企業Amberdataのリサーチ責任者マイク・マーシャルは、直近の暗号資産や株価の下落に関して、「大口のファンドは、現物ビットコインETFから資金を引きあげ、投資家もハイテク株を敬遠している。このため、ナスダックが下落し、テスラやエヌビディアが苦戦するとビットコインも影響を受ける」とコメントした。
 
一方、資産運用会社ガーバー・カワサキのブレット・シフリングも、ビットコインの下落には複数の要因が絡んでいると指摘し、「リスクオンの株式市場の全般的な調整や、ナスダックの下落とも強い相関関係があるように見える」と述べている。

「また、ビットコインの現物ETFからは、今週だけで約10億ドル(約1500億円)が流出した。この流出の背景には、人気のあった先物・現物のキャリートレードの収益性が低下していることが挙げられる」とシフリングは述べ、最近発生した大手の暗号資産取引所のBybit(バイビット)のハッキング事件も、人々にリスクを再認識させることにつながったと指摘した。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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