【重要なお知らせ:当社を装った偽サイトにご注意ください】

経営・戦略

2025.03.05 08:00

中国BYDが新株発行で8300億円調達、「グローバル事業」拡大へ

Shutterstock.com

Shutterstock.com

中国の電気自動車(EV)大手のBYDは3月4日、母国の競合に対抗し、海外市場への拡大を進めるために、新株の発行によって435億香港ドル(約8330億円)を調達すると発表した。

これを受け、香港と上海に二重上場する同社の株価は、4日午前の香港市場で7.6%、上海市場で4.4%急落した。BYDは、香港証券取引所への提出書類で、1億2980万株の新株を1株当たり335.2香港ドルで非公開の投資家向けに発行すると発表した。この発行価格は、直近10日間の平均終値を11.8%下回る水準だ。

BYDの香港上昇株は、この下落を経た後も年初来で30%上昇している。同社は、新株からの調達資金を技術研究と海外展開に充てるとしている。

BYDの海外売上高は、昨年の上半期には全体の売上高3010億元(約6兆4000億円)のうちの30%だったが、同社はこれを全体の半分にまで引き上げる計画だ。同社は現在、ハンガリーで建設中の自動車工場を、今年後半にも稼働させようとしている。BYDはまた、メキシコにも大規模な生産拠点を建設し、約1万人の雇用を創出する計画だと報じられている。

香港拠点の調査会社、ブルーロータスキャピタルのリサーチ責任者のエリック・ウェンは、国内市場における競争の激化が、BYDが資金調達を進める要因の1つとなったと指摘した。

BYDは、EV事業で急成長を遂げているシャオミなどの競合に対抗するため、一部の低価格モデルに先進的な自動運転機能を搭載し始めている。香港市場に上場するシャオミの株価は、EV事業への楽観を背景に年初来で40%以上上昇している。

BYDは2月に「ゴッズ・アイ(神の目)」と呼ばれる計画を発表し、10万元(約200万円)以下の一部モデルに、自律走行ナビゲーションや自動駐車などの自動運転機能を搭載すると述べていた。

この戦略により、同社の粗利益率は2~3%低下する可能性があるとブルーロータスのウェンは指摘する。しかし、海外工場が本格稼働すれば、今年におけるBYDの出荷台数は、2024年の427万台から34%増となる570万台に伸びる可能性があるという。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

タグ:

続きを読むには、会員登録(無料)が必要です

無料会員に登録すると、すべての記事が読み放題。
著者フォローなど便利な機能、限定プレゼントのご案内も!

会員の方はログイン

ForbesBrandVoice

人気記事