「女性がキャリアを諦めざるをえず、子どもたちに『頑張れば夢はかなうよ』と言うこともできない。そんな日本に未来はないと思ったんです」
2024年6月、東京・港区初の女性区長に就任した清家愛。政治を志したのは、自身の出産で待機児童問題の当事者となったことがきっかけだった。子育てと仕事の両立に悩みフリーランスとなるも、「保活」に直面。保育園の入園審査の際、「フリーランスでは永久にお子さんを預けられませんよ」と言われたこともあった。
自分と同じように、多くの女性が理不尽を強いられ、キャリアを諦めていた。清家は現場のリアルな声を集め、行政に提言すべく「港区ママの会」を発足。声はいつしか数百人の大合唱となり、ついには政治を動かす。清家は区議に転じ、さらに活動に邁進した。
そんな清家だが、もともとは新聞記者として政治を監視する側にいた。高校時代に留学したオーストラリアで、紛争地から逃れてきた難民の学友に出会い、「政治を誤ると多くの人生が狂わされる」と思ったことが、彼女をジャーナリストの道へと進ませた。
26万余の港区民の生活を背負う立場になった今は、政治のポジティブな影響を強く意識するようになった。
「変わらないと思っていることを変えられるのが政治。政治にかかわらなければ、大切な人を守ることもできない」
未来のために、この社会を変えてみせる。現実と向き合いながら、清家は今日も奔走する。
清家 愛◎1974年生まれ。青山学院大学卒業後、産経新聞社に入社。主に社会部記者として7年間勤務。育児中に「港区ママの会」を発足。2011年より港区議会議員を4期務め、24年6月に港区長就任。清家あいの名義で著書『保育園浪人』がある。 FOLLOW US
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