ウォーレン・バフェットが率いる投資会社バークシャー・ハサウェイの株価は2月24日、過去最高値に上昇した。これは、2024年度の通年、および第4四半期の営業利益が過去最高を記録したことを受けてのものだ。バフェットの保有資産は、この株価の上昇により数十億ドル増加した。
バークシャーのクラスA株は、24日の市場で4%高の約74万8000ドルで引けた。クラスB株は、4.2%高の約499ドルをつけた。この2つの銘柄はともに昨年11月27日の過去最高値を更新した。
バークシャーが22日に発表した第4四半期決算で、通年の営業利益が、前年比27%増の474億ドル(約7兆1200億円)に達したと報告した。第4四半期の営業利益は、前年同期比71%増の145億ドル(約2兆1800億円)だった。
バークシャーの時価総額は、24日の市場で400億ドル(約5兆9900億円)増加し、過去最高の1兆800億ドル(約162兆円)に達した。これにより、同社の時価総額はイーロン・マスクが率いるテスラの1兆400億ドル(約156兆円)を上回り、米国で7番目に価値の高い上場企業となった。
バフェットの保有資産は、この株価の上昇で約60億ドル(約9000億円)増加した。世界で6番目の富豪である彼の資産は1550億ドル(約23兆2600億円)で、マスクの資産を約2250億ドル(約33兆7100億円)下回っている。フォーブスは、これまで600億ドル(約8兆9900億円)以上を慈善活動に寄付したバフェットを、史上最も多くの寄付を行った富豪だと推定している。
UBSのアナリスト、ブライアン・メレディスは、23日の顧客向けメモで、米国の不透明なマクロ環境の中でバークシャー株が「魅力的な選択肢になっている」と指摘した。彼はまた、トランプ大統領がマスクの協力を得て経済の立て直しを進める中で、米国経済が混乱していると述べた。
バークシャーの株価は年初来で10%上昇しており、同期間におけるS&P500の上昇率である2%を大きく上回っている。同社の株価パフォーマンスは、過去25年のうちの16年で、S&P500を上回っていた。
24日のバークシャー株の上昇は、同社にとって最大の投資先であるアップル株の上昇にも後押しされた。アップルはこの日、今後の4年間で米国に5000億ドル(約74兆9200億円)を投資する計画を発表して、株価を年初来の最高値に押し上げた。アップル株は、バークシャーの公開株式ポートフォリオの約25%を占めている。
バークシャーは、アップルの発行済み株式の約2%にあたる約3兆7000億ドル(約555兆円)相当のアップル株を保有している。
バフェットは、株主宛ての年次書簡でバークシャーの昨年の納税額が、歴史上のすべての企業を上回る268億ドル(約4兆200億円)に達したと述べつつ、米国に感謝した。「この会社がこれだけの成果を上げられたのはアメリカがあったからだ。一方で、アメリカの成功にバークシャーの存在が不可欠だったわけではない。だから、ありがとう米国政府」とバフェットは書簡に記している。
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forbes.com 原文)