サイエンス

2025.02.23 11:00

エトナ山噴火、雪の山肌を流れる「火の川」 宇宙から届いた壮観画像

地球観測衛星ランドサット8号が撮影したイタリア・エトナ山の雪の斜面を流れ落ちる溶岩流を、赤外線データで赤く浮き彫りにした「火の川」の画像(NASA Earth Observatory image by Wanmei Liang, using Landsat data from the U.S. Geological Survey)

ドローンがとらえたエトナ山

イタリア国立地球物理学火山学研究所(INGV)は今月17日、ドローンで撮影したエトナ山の溶岩流の最新映像を公開した。動画は熱画像と光学画像を並べたもので、肉眼では灰色にしか見えないくすぶる溶岩が、熱画像では赤く浮かび上がって見える。



エトナ山は世界で最も活発な成層火山の1つだ。成層火山は円錐形をしており、火山物質の層で形成された急峻な斜面をもっている。米国で有名な成層火山には、オレゴン州のフッド山とワシントン州のセントヘレンズ山がある。

火山活動は周辺地域に影響を及ぼす。噴煙のために空の便が欠航や迂回を余儀なくされることもある。だが、いずれ噴火は収まる。エトナ山についてNASAは「2月18日現在も噴火は続いているが、火山灰の放出量は少なく、激しい噴火活動は減少している」と述べている。

エトナ山の歴史は長い。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産にも登録されており、「この火山の噴火の歴史は50万年前まで遡ることができ、少なくとも2700年間にわたる噴火活動が記録されている」と紹介されている

人工衛星は、エトナ山を記録する方法を進化させた。衛星画像は美しく、しかも情報の宝庫だ。近年の噴火では溶岩流よりも噴煙の影響のほうが懸念されがちだが、赤外線データの助けを少々借りて浮かび上がった溶岩流の姿は、宇宙からの絶景を私たちに見せてくれる。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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