アジア

2025.02.19 16:30

「丸亀製麺」が傘下の香港ヌードルチェーンを非公開化、107億円で

(David Wong/South China Morning Post via Getty Images)

(David Wong/South China Morning Post via Getty Images)

日本人ビリオネアの粟田貴也が率いる外食大手トリドールホールディングスは2月17日、香港市場に上場する傘下のライスヌードルチェーン、Tam Jai International(タム・ジャイ・インターナショナル)を非公開化すると発表した。同社は、タム・ジャイ・インターナショナル株の約74%を保有する連結子会社を通じ、残りの全株式と未行使のストックオプションを購入する。取得費用は、少なくとも5億4800万香港ドル(約107億円)とされる。

タム・ジャイ・インターナショナルは、17日夜の香港証券取引所への提出書類で、親会社のトリドールが1株あたり1.58香港ドルの現金で、外部投資家が保有する約26%の株式を買収すると発表した。同社の株式は、「内部情報の開示待ち」などを理由に4日から売買が停止されていたが、買収発表を受け18日から取引を再開した。

タム・ジャイ・インターナショナル株の買収価格は、3日終値の0.9香港ドルとの比較で約75.6%のプレミアムが付く計算だ。

タム・ジャイ・インターナショナルは、提出書類の中で、非公開化によって「長期的な事業目標を、より効果的かつ効率的に達成するための柔軟性、ノウハウ、関連リソース、および専門知識をより良く確保できる」と述べた。同社の成長戦略には、海外展開の継続も含まれるという。

トリドールは、売上規模で日本最大のうどんチェーンである丸亀製麺を運営しており、今年2月時点で世界の29カ国と地域で2000店舗以上を展開している。東京を拠点とする同社は、2018年に2億4300万ドル(約370億円)を投じてタム・ジャイ・インターナショナルを買収し、2021年に上場させていた。

タム・ジャイ・インターナショナルは、トリドールによる買収の以降に、シンガポールや中国本土、日本、オーストラリアへと事業を拡大した。しかし、同社の9月までの6カ月間の純利益は前年同期比56%減の3600万香港ドル(約7億円)に落ち込んでいた。タム・ジャイ・インターナショナルの株価は、18日の正午時点でIPO価格から56%下落していた。

トリドール創業者でCEOの粟田は、昨年行われたフォーブス・アジアのインタビューで、タム・ジャイ・インターナショナルが同社の海外事業の拡大を牽引する2つの企業のうちの1つだと述べていた。タム・ジャイ・インターナショナルは最近、マレーシアを拠点とするヘクスター・グループの小売部門と提携し、東南アジア市場への進出を進めている。

forbes.com原文

編集=上田裕資

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