タム・ジャイ・インターナショナルは、17日夜の香港証券取引所への提出書類で、親会社のトリドールが1株あたり1.58香港ドルの現金で、外部投資家が保有する約26%の株式を買収すると発表した。同社の株式は、「内部情報の開示待ち」などを理由に4日から売買が停止されていたが、買収発表を受け18日から取引を再開した。
タム・ジャイ・インターナショナル株の買収価格は、3日終値の0.9香港ドルとの比較で約75.6%のプレミアムが付く計算だ。
タム・ジャイ・インターナショナルは、提出書類の中で、非公開化によって「長期的な事業目標を、より効果的かつ効率的に達成するための柔軟性、ノウハウ、関連リソース、および専門知識をより良く確保できる」と述べた。同社の成長戦略には、海外展開の継続も含まれるという。
トリドールは、売上規模で日本最大のうどんチェーンである丸亀製麺を運営しており、今年2月時点で世界の29カ国と地域で2000店舗以上を展開している。東京を拠点とする同社は、2018年に2億4300万ドル(約370億円)を投じてタム・ジャイ・インターナショナルを買収し、2021年に上場させていた。
タム・ジャイ・インターナショナルは、トリドールによる買収の以降に、シンガポールや中国本土、日本、オーストラリアへと事業を拡大した。しかし、同社の9月までの6カ月間の純利益は前年同期比56%減の3600万香港ドル(約7億円)に落ち込んでいた。タム・ジャイ・インターナショナルの株価は、18日の正午時点でIPO価格から56%下落していた。
トリドール創業者でCEOの粟田は、昨年行われたフォーブス・アジアのインタビューで、タム・ジャイ・インターナショナルが同社の海外事業の拡大を牽引する2つの企業のうちの1つだと述べていた。タム・ジャイ・インターナショナルは最近、マレーシアを拠点とするヘクスター・グループの小売部門と提携し、東南アジア市場への進出を進めている。
(forbes.com原文)