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食用油のペットボトル回収で判明した生活者意識の高さ

プレスリリースより

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食用油やドレッシングなどの調味料が入っていたペットボトルは、資源化が難しいため燃やすゴミやプラスチックゴミとして出すよう自治体に要請されることが多い。それではもったいないと、日清オイリオとキユーピーは、油のついたペットボトルの再資源化に向けた取り組みを行っている。その一環として油の付いたペットボトル回収実験を実施したところ、予想を超える上々の結果が得られた。

清涼飲料水の分野では、回収した使用済みペットボトルを粉砕して高温で溶かし、再生PET樹脂として再びペットボトルに作り直す物理的再生法(メカニカルリサイクル)が進められている。しかし、食用油や調味料が入っていたペットボトルは、油による色素の沈着や洗浄時に排出される廃油の問題、またはそこから再生されたペットボトルを食品用として使用する際の安全性への疑問などがあり、ほとんど行われてこなかった。

そこで2022年、日清オイリオ、キユーピー、ミツカン、キッコーマンの4社は共同で、油もののペットボトルのメカニカルリサイクルの安全性評価を実施し、「ほぼすべての液状調味料および食用油の容器として安全に使用できる」ことを確認した。それを受け、食用油と調味料の使用済みペットボトルのメカニカルリサイクルを社会実装すべく、日清オイリオとキユーピーは、2024年5月から半年間、千葉市内のイオン・イオンスタイル8店舗に専用のボックスを設置し、食用油および調味料の使用済みペットボトル回収の実証実験を行った。

その結果、目標の100キログラムを大きく超える約175キログラム(約5500本)が回収できた。開始当初は、回収対象外のPEボトルも多く混じっていた。そこで、実施から3カ月後に「出し方」を示すチラシを周辺地域に配ったり、「透明ボトルが対象、半透明ボトルは対象外」とわかりやすい説明を追加するなどの工夫を加えたところ、対象外のボトルの数は減り、ペットボトルの回収量が増え、11月には開始当初の2倍以上にもなった。この実験の目的には、回収量やペットボトルの汚れ具合の検証のほかに、生活者に油付きペットボトルも資源になることを理解してもらうこともあった。その意味では大成功であり、「継続的に伝えること」の大切さがわかったということだ。

そしてなにより重要なのは、一般の生活者の環境意識の高さがわかったことだ。使い切った容器を古新聞などに一晩逆さまにして置き中身を出し切ったあと中を水ですすいでから出すという、ちょっと面倒な指示をみんなが守って回収に応じてくれた。この実験から、今すぐできることなら環境保全のための取り組みに協力したいと思っている人が多くいるものと察せられる。協力を呼びかける側の工夫次第で、一般消費者を巻き込んだ環境関連事業に大きな結果がもたらされる可能性がある。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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