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ビジネス

2025.02.14 12:00

米石油大手シェブロン、社員2割を削減へ 原油安が響き

米オレゴン州オンタリオにあるシェブロンのガソリンスタンド。2023年6月18日撮影(Getty Images)

米オレゴン州オンタリオにあるシェブロンのガソリンスタンド。2023年6月18日撮影(Getty Images)

米石油大手シェブロンは12日、2026年末までに社員の最大5分の1を削減する方針を明らかにした。同社の23年10月時点の従業員数は4万5511人に上り、今回の人員削減で約6830~9100人の雇用に影響が及ぶものとみられる。

シェブロンのマーク・ネルソン副会長によると、同社は今年から26年末にかけて従業員を15~20%削減する予定。人員整理の対象となる主な分野については明らかにしなかった。

ネルソン副会長は「組織構造を変更し、標準化、集中化、効率性、業績を高める計画だ」と説明。「責任ある経営には、社員や株主、地域社会のために会社の長期的な競争力を高めるための措置を講じることが求められる」と結んだ。

シェブロンはエクソンモービルに次ぐ米国第2の石油企業で、時価総額は2700億ドル(約41兆4800億円)を超え、全米28位の規模を誇る上場企業だ。同社のマイク・ワース最高経営責任者(CEO)は昨年11月、米ブルームバーグ通信の取材に対し、同社の30億ドル(約4600億円)規模のコスト削減策は「全体のほんの一部」に過ぎないとほのめかしていた。シェブロンは世界51カ国に従業員を擁するが、23年10月時点で従業員の57%が米国内で給与支払いを受けていた。

ロシアによるウクライナ侵攻で原油価格が高騰し、世界中の石油企業に追い風が吹いた22年、シェブロンは365億ドル(約5兆5800億円)の過去最高益を記録。しかしその後、原油価格が落ち着くと、同社の純利益は23年に214億ドル(約3兆2700億円)、24年には177億ドル(約2兆7000億円)にまで減少した。世界的に株式市場が低迷する中、シェブロン株は22年に58%のリターンを上げたがその後は停滞状態に陥り、過去2年間のリターンはマイナス2%となり、S&P500の53%を下回っている。

2025年に入り大規模な人員削減を発表したその他の大手企業

再就職支援を手がける米チャレンジャー・グレイ・クリスマスによると、米国では先月、人員削減件数が前年同月比で40%減少したが、シェブロン以外の大手企業も相次いで今年の人員整理計画を明らかにしている。

米金融誌バロンズによれば、米銀最大手のJPモルガン・チェースは今月、1000人弱の従業員を削減する。交流サイト「フェイスブック」を運営する米メタは10日、全従業員の5%に当たる人員整理を開始。これにより、約3600人の従業員に影響が及ぶとみられている。化粧品世界2位の米エスティ・ローダーは先週、従業員を約1割削減すると説明した。人事管理ソフトウエア大手ワークデイも先週、従業員の8.5%に当たる約1750人を削減する計画を発表している。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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