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欧州

2025.02.13 09:00

ウクライナ、今度はロシア南部サラトフの製油所を爆破 容赦ない「石油潰し」続く

ロシア南部サラトフ州サラトフ市にある製油所の遠景。2022年7月撮影(Kirill Skorobogatko / Shutterstock.com)

ロシア南部サラトフ州サラトフ市にある製油所の遠景。2022年7月撮影(Kirill Skorobogatko / Shutterstock.com)

ロシアの製油所や石油貯蔵タンク、石油パイプライン圧送施設を狙ったウクライナのドローン(無人機)やミサイルによる攻撃は先月、ロシアの基幹産業である石油関連産業に大きな打撃を与えた。一連の攻撃によってロシアの石油製品生産量は一時的に10%程度押し下げられた可能性がある。

ウクライナは性能を高めたドローンなどによる攻撃をますます増やしており、今月はロシアにとってさらにひどい月になるかもしれない。

11日夜、ウクライナのドローンは720km以上飛行してロシア南部サラトフ州サラトフ市内の製油所を攻撃した。地上からの映像には、製油所の辺りから炎が立ちのぼる様子が映っている。

「サラトフの製油所に対するウクライナの制裁は無人化され、不可逆的なものです」。ウクライナ軍の新たな軍種である無人システム軍はそう戦果を誇っている
ロシア石油最大手ロスネフチが所有するこの製油所は、年間700万tの石油精製能力があるとされる。これは、ロシア国内に30カ所前後ある主要製油所の石油精製能力全体の2%強にあたる。もちろん製油所は修理できる。しかし、爆発が続く場合はそうもいかない。

ウクライナは先月もサラトフ市周辺の燃料施設を攻撃していた。今月7日夜には、ロシア南部ロストフ州の石油パイプライン圧送施設と同ボルゴグラード州の製油所をドローンで攻撃した。これに先立つ5日にロシア南部クラスノダール地方の石油貯蔵施設に対して行った攻撃では、新型の巡航ミサイルが使われたと伝えられる
ウクライナによる絶え間のない攻撃のために、ロシアでは被害を受けた施設の修復が進めにくくなり、企業は政府の目標達成に向けて石油の生産・輸出を増進するのに必要なリソースを奪われている。ロスネフチは先月、製油所の近代化計画を断念せざるを得なくなるおそれがあると明らかにしている。

ロシアも手をこまねいているわけではない。ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイトは、ロシア側は航空基地や弾薬庫などの「偽装を改良したり防護措置を強化したりしている」と説明している

とはいえ、ロシアの防空網は薄く引き伸ばされている。石油施設はロシアの広大な国土の各地に散らばっており、マーク・ハートリング退役米陸軍中将が言うように「どこもかしこも守れるわけではない」のだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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