2024年初頭から米国記事執筆現在までのメタ株の上昇率は約92%であり、約27%上昇したS&P500種株価指数を大きくアウトパフォームしている。同社によるAIへの投資は、ユーザーエンゲージメントの増加という形で実を結び始めており、これが株価にとって好材料となっている。
Q4決算の概要
広告インプレッションが前年同期比で6%増えたこと、広告単価が同14%増となったことに牽引され、Q4決算の収益は同21%増の484億ドル(約7兆5400億円)となった。また、デイリーアクティブユーザー(DAU)は同5%増の33億5000万人であった。メタの主な収益源は、同社のアプリ群(Facebook、Instagram、Threads、WhatsApp)に掲載する広告だ。そのため、同社はAIを活用した広告ターゲティングの強化、およびコンテンツの生成に投資している。こうしたAIによるイニシアチブをサポートするため、メタは大規模なインフラ投資を行っており、2025年の資本支出は600億~650億ドル(約9兆3500億円~10兆1300億円)になるとの見通しが示されている。
営業利益率は前年同期と比べ7%改善し、48%となった。また、増収と営業利益率の改善により、EPSは前年同期比50%増の8.02ドルだった。メタは2025年度第1四半期の業績見通しを発表し、収益が395億ドル(約6兆1500億円)から418億ドル(約6兆5100億円)の範囲となると予想している。この範囲の中間点は、市場予想の417億ドル(約6兆5000億円)を下回った。
メタの目標株価は?
Q4決算は堅調な業績であったものの、2025年Q1決算の業績見通しが弱かったこと、予定されている設備投資が高額であることがメタ株の足かせとなる可能性がある。少し長い期間の株価パフォーマンスを見ると、過去4年間におけるメタ株の年間リターンはS&P500よりもかなり不安定である。メタ株の年間リターンは、2021年に23%、2022年にマイナス64%、2023年に194%、2024年に66%だった。
私たちは近日中にメタの最新決算を反映した目標株価を更新する予定であるが、同社の株価は十分に評価されているように思われる。現在の株価で計算したPER(株価収益率)は29倍であり、これは過去2年間の平均である24倍よりも高い。
直近で広告収入が堅調に増えていることを考えると、この評価水準の上昇は正当化されるように思えるが、積極的なAI投資がリターンに見合うものであるかどうか、そして最終的に同社の利益となるのかどうかは不確実であり、その点は株価にとってもリスクとなろう。
(forbes.com原文)