同館のページにある説明から引用しよう。
「(このモデルは)インターネットで情報が伝わるしくみを、白と黒のボールの動きで視覚化した展示です。
白と黒のボールは、実際には目に見えない「0」と「1」の信号の代わりです。インターネットへ放った情報は、タワー(ネットワーク上のルーターに相当)を中継して、相手の端末に届きます。 2017年6月のリニューアルで、「文字」だけでなく「音」「動き」などの情報も扱えるようになりました。今日の社会で人や情報ばかりでなく、モノ、環境、サービスなどをもつなぐインターネットが、世界に開かれた重要なコミュニケーションツールであることもあらためて実感できます」

「インターネットは誰かが中央で管理しているのではない。世界中に分散しているシステムが、それぞれが連結してパケットを届けるようになっています。
(…)みんな一人一人が手をつないでいくと、最後は地球全体を覆うことができる、そういう理念でインターネットはできていて、そして実際に今は、その理想は実現できたと思います」
だがついに、24年間続いたこの人気常設展示の撤去が決まり、展示は1月13日で終了した。撤去の理由は物理的な老朽化と、新展示へのスペース譲渡の必要に迫られたことだった。
——愛されたこの展示の撤去の報に触れた人々から惜しむ声が上がるまでに、間はなかった。展示最終日翌日の14日、オンライン署名サイト「change.org」で「日本科学未来館のインターネット物理モデル廃棄を止め、再利用で次世代に繋げよう」という署名ページが開設されたのである(※1/24に発起人から未来館に署名が提出された)。
以下、同モデルの「撤去」と署名活動について、以下、同モデルのオリジナル制作者の1人、産業技術総合研究所主任研究員でメディアアーティストの江渡浩一郎博士*のXへの投稿("「後世に残すべき文化資産とはなにか」について議論するべき")を紹介する。
江渡浩一郎博士◎国立研究開発法人産業技術総合研究所 人間拡張研究センター 共創場デザイン研究チーム主任研究員、ZEN大学教授(就任予定)、デジタルハリウッド大学大学院 特任教授、人工知能学会 理事、JST CREST領域アドバイザー。
※なお展示終了に際しては江渡博士はじめ関係者が招待され、お別れの場が設けられた(日本科学未来館の公式Xより)
2001年開館時からある常設展示
— 日本科学未来館 (@miraikan) October 16, 2024
「インターネット物理モデル」
制作に携わった江渡浩一郎さん、島田卓也さん、
杉原聡さん、東泉一郎さんが来館されました!
思い出話が尽きません🌼
本展示は2025年1月で公開を終了😭
懐かしい方も、まだ見たことない方も、
終了前にぜひ体験してみてください! pic.twitter.com/l5wzEUFtip
また今回、Forbes JAPAN読者、ならびに同展示のファンのために、日本科学未来館からのメッセージをいただいた。次ページで紹介する。