バイデンは、米国では「ひと握りの超富裕層に権力が集中する危険な状況」で「寡頭政治が形作られつつある」と述べ、「彼らによる権力の乱用を野放しにすれば」米国は「危険な結果」に見舞われかねないと訴えた。
そして、かつてドワイト・D・アイゼンハワー大統領が退任演説で「軍産複合体」について発した警告を引用しつつ、「テック産業複合体の台頭を懸念している。それは米国に現実的な危険をもたらすおそれがある」と主張。さらに「米国の人々は、権力の乱用を可能にする誤情報や偽情報の雪崩に埋もれつつある」としてIT大手を真っ向非難した。
バイデンは数日前、米メタが自社プラットフォーム上でのファクトチェックを終了すると決定したことについて「実に恥ずべきこと」だと強く批判したばかりだ。
AI(人工知能)については、その力を認めて「大きな可能性」を称賛しながらも、安全対策が講じられないかぎり「われわれの権利、生活様式、プライバシー、働き方、国家安全保障に新たな脅威となる可能性がある」と指摘した。
「寡頭政治」への警鐘を鳴らすにあたってバイデンは特定の人物を名指しはしなかったが、世界有数の富豪であるイーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグらはいずれもテック大手を軸足として巨万の富を築いてきた。この3人は、20日に予定されているドナルド・トランプ次期大統領の就任式に揃って出席すると報じられている。