
2025年の旧正月には、ビスタジェットの20周年を記念して特別メニューを展開。香港発の便で中華料理で世界初のミシュラン三つ星の評価を受けたフォーシーズンズホテル香港の「龍景軒」、シンガポール発の便では三つ星の老舗フレンチ「レザミ」、上海からは三つ星イタリアン「ダ・ヴィットリオ」の上海支店などからの料理が楽しめるという。
「事前に希望があれば、たとえば、ファストフードのフライドポテトであっても、可能な限りスタッフが手配して実現させます。飛行中だからといって、選べないということをしたくない」とラーム氏。東京発の便の場合、リッツ・カールトン・東京などからの食事の手配が可能だ。
また、2023年の10月からはウェルネスプログラムとし、健康的なメニューもスタート。食事制限、低カロリー食、無化学調味料などにも対応する。
食事以外では、例えば機内の温度について一言でもフィードバックがあれば、それをスタッフが記録して引き継ぎ、次回の利用の際に反映させる。まるで自家用プライベートジェットのようなサービスも魅力の一つだ。
さて、筆者の乗った飛行機が到着したのは香港国際空港。日本のプライベートジェットの発着はVIPレーンを活用したものだが、香港の場合は専用の建物があり、コロナ後は特に増したプライベートジェット需要に合わせ、今年中には現状の倍の発着に対応する建物が完成するという。
アジアにおけるプライベートジェットのハブとしての存在感を増しつつある香港。そこからの旅先は、シンガポール、中国、日本がトップ3となっている。
所有しないことで、気軽かつ効率的に、でも所有するかのような特別感を味わえるビジネスジェット。日本では今後、どのように広がっていくだろうか。