クルスク州のエイブラムスに対してもこの措置がとられたもようだ。第47機械化旅団は今回の戦闘中に、残り十数両のエイブラムスの1両を遺棄したのかもしれない。あるいは、このエイブラムスは、以前の戦闘で被弾して乗り捨てられていたが、ロシア軍の火力にさらされやすい場所のため、回収できず放置されていたのかもしれない。
第47機械化旅団が昨年12月11日ごろに遺棄したM1の
写真がある。この写真に写っている風景は、1月5日にエイブラムスに突っ込んだ自爆ドローンの映像に見える風景と一致するようだ。
特殊作戦軍のドローン操縦士は、1カ月近く放置されていた自軍戦車を破壊する頃合いだと最終的に判断したのかもしれない。損傷したこのエイブラムスは、現地の両軍にとって気になって仕方のないものだっただろうが、双方とも手の届かない状態だった。
ウクライナ軍にとって、M1をさらに1両失うことはほんの数カ月前には深刻な事態だったかもしれないが、現在は状況がやや改善している。保管しているM1の在庫が数千両ある米国が追加供与を拒む一方で、オーストラリアがM1の今後の大きな供給元として浮上したからだ。
オーストラリア陸軍は最近、旧型のM1を退役させて新型のM1と入れ替えた。オーストラリア政府は昨年10月、余剰になったM1のうち49両をウクライナの戦争努力のために提供すると
発表した。第1弾はそろそろウクライナに届き始めてもおかしくない。
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forbes.com 原文)