Apple IntelligenceがiPhone SEに及ぼす影響
発売前にアップルが入念なテストを行っているとしても、発売後になって初めて発覚する問題が出ることは過去にもあった。かつてスマホのアンテナ部分を持ってしまうことで通信品質に問題が生じた例(いわゆる「アンテナゲート」)ほど極端ではないにせよ、新部品導入には常に予期せぬリスクが伴う。従来のiPhone SEは、その年の標準モデルiPhoneと同等の基本スペック(チップセット、メモリ、ストレージ)を持っていた。2025年のiPhone SEは、2024年9月に発売されたiPhone 16がベースとなる。iPhone 16は、同社の生成AI機能「Apple Intelligence」を円滑に動作させるため、すでにメモリやチップ性能を強化している。
アップルがPR戦略で生成AIへの注力を強調している以上、iPhone SEがApple Intelligenceをサポートせずに登場する可能性は低い。つまり、SEのスペックはiPhone 16に匹敵する必要がある。結果として、iPhone SEはより小型で安価でありながら、iPhone 16と同等の性能を備えることになる。その状況で消費者はなぜわざわざiPhone 16を選ぶのか。多くのユーザーが小型かつ安価なSEへ移行し、アップルの売上を圧迫する可能性がある。
再定義されるiPhone SE
一貫した「SE」という名前のおかげで、このモデルは初代からの愛用者を含め幅広く支持されてきた。この点は2025年に登場する第4世代モデルでも変わらないだろう。通常、SEシリーズは最先端技術を前面に打ち出すことは少ないが、新しい自社製モデム、生成AI、そして標準モデルと同等のスペックを揃えるという新時代において、iPhone SEは主役級の役割を果たすことになる。(forbes.com 原文)