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食&酒

2024.12.13 16:15

「酒は罪」は昔話? インドに飲酒人気到来、『フィナンシャル・タイムズ』にも

高まるインドワインへの注目


一方、自国のワインも徐々に存在感を高めている。国内ワインマーケットの5割以上を占める国内最大のワイナリーが、太陽のロゴで有名なスーラ・ヴィンヤード。スタンダードラベルのほかにも、プレミアムブランド「ザ・ソース」「ラサ」などプレミアムコレクションも展開している。グルナッシュ100%のザ・ソースのロゼは、柑橘風味とドライな後口が心地よいプロヴァンス・スタイルで、熱帯インドの気候に涼風を吹き込んでくれた。カベルネ・ソーヴィニヨンは、杉のような品種香もしっかり出ており、タンニンが柔らかく酸味も穏やかでいい意味で飲みやすい。ポルトガル料理とインド西海岸・ゴア地方の料理を融合させた「O Pedro(オー・ペドロ)」のスパイシーなお料理と非常に良く合った。
 インドワインはグラスで約990円(左)・ジンジャーが効いたココナッツのキスマール(右)

インドワインはグラスで税込み約1200円(左)・ジンジャーが効いたココナッツのキスマール(右)

インドワインなら輸入関税がかからない分、比較的安価に飲めるのも嬉しいポイントだ。例えばモエ・エ・シャンドンを傘下にもつLVMHグループは、スパークリングワインブランドの製造拠点をインドに有するため、「シャンドン・インディア」はレストラン価格で約9500円(税込)だった。ちなみに、本家シャンパーニュのモエ・エ・シャンドン モエ・アンぺリアルを頼もうとすると約27000円、3倍弱の価格だ。 地元民とツーリストで超満員の「Trishna(トリシュナ)」にて、名物のボンベイダックやバタークラブと

地元民とツーリストで超満員の「Trishna(トリシュナ)」にて、名物のボンベイダックやバタークラブと


一方で、ムンバイの美食シーンをけん引する「Masque(マスク)」のシェフ、ヴァルン・トトラーニ氏によると、レストランでワインを提供するには様々な課題もある。輸入の関係上欲しいお酒が手に入らないこともあり、またインドワインに誰もが興味を持っているわけでもない。

実際、レストランでも、インドワインに興味を持つのは観光客の割合が多く、地元客は輸入ワインを好む傾向があるという。「その現状を変えていきたい」と、マスクでは、インドの食材にフォーカスしたテイスティングコースに合わせて、インドワインのみのペアリングも提供している。その驚くべき食体験は、次編で紹介したい。

文=水上彩 編集=石井節子

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