「笑顔の写真」の重要性
笑顔の写真は、より魅力的で誠実、社交的な人物に映るという研究結果がある。学術誌European Journal of Social Psychologyに発表された研究では、笑顔をみせる人のほうが有能で信頼できそうに見られることが明らかになっている。しかし、どんな笑顔でもいいわけではない。親しみやすく、信頼できるイメージを演出するには、本当にうれしそうな笑顔で写真に収まることだ。そのような「本物の笑顔」は、表情の研究をしたフランスの神経学者ギヨーム・デュシェンヌにちなんで「デュシェンヌ・スマイル」と呼ばれる。頬がしっかりと上がり、目尻に笑いジワができるような表情をさす。
こうした本物の笑顔を見せることが肝心だと、顔写真を専門とする写真家のデビッド・グリーンは説明する。「本物の笑顔は、壁を取り払い、たちまち相手の親近感を強める」。グリーンが運営する写真撮影サービスの名称「Shoot Me Now(さあ私を撮ってくれ)」は、見た人を確実に笑顔にするだろう。
笑顔が周囲に及ぼす影響
笑顔は、本人だけにメリットがあるわけではない。周囲の人にも良い影響を及ぼす。英オックスフォード大学が発行する科学雑誌『The Oxford Scientist』に掲載された研究によれば、笑顔は伝染する。誰かの笑顔を見ると、脳の報酬中枢が活性化し、気分が良くなり、多くの場合は笑顔を返したくなる。英国のある研究によると、笑顔から得られる喜びは1万6000ポンド(約310万円)相当の贈り物を受け取ることにさえ匹敵するという。精神科医のナヴィーン・ジャヤラム博士は、誰かの笑顔を見ると、たとえ自分は笑っていなくても脳内に幸福を感じる化学物質が分泌されると説明する。
もっと笑顔になれるように、以下の実践的なアドバイスを試してみよう。コミュニケーション専門家のデビッド・グロスマンが提案する「笑顔になる6つの方法」だ。
1. 鏡の前で笑顔の練習をする。他の人からどう見えるか、自分がどう感じるかを知るためだ。その感覚を覚えておいて、あとから再現できるようにしよう
2. 目に入る場所(自宅の鏡、オフィスのパソコン、携帯電話、車の中など)に、メモやスマイルマークを貼る。見れば笑顔になることを思い出せるようにしておこう
3. 数時間ごとに思い出せるよう、携帯電話のリマインダーを設定する
4. 誰に対しても笑顔で接するよう心がける
5. 朝、仕事を始める前に、全員に挨拶して回る(もちろん笑顔で)
6. 感謝の気持ちを持つ。「自分はなんて素晴らしい人生を送っているんだろう」と考えよう。なぜなら、実際そのとおりだからだ
笑顔を増やせば、結果がついてくる
笑顔は、大きな見返りを得られる小さな行動だ。無理なく習慣化でき、自分の気分を高め、周囲の人々も明るくする。プライベートでも仕事でも、笑顔は扉を開き、つながりを築き、ポジティブな雰囲気を生み出す。幸福、成功、健康に良い結果をもたらす、最も自然で楽しい方法だ。
今日から少し笑顔を増やして、その波及効果を確かめてみよう。あなたの笑顔が誰かの1日を明るくすれば、その人がまた別の誰かに笑顔のリレーをつなぐかもしれない。
(forbes.com 原文)