北米

2024.11.13 08:00

トランプ2.0の「反リベラル主義」を歓迎する米国テック業界

MAGAの孤立主義のメッセージがグローバリストのビジネス取引と本質的に相容れないものであることは明白だ。ここで言うグローバリストの中には、スペースXやテスラを率いるイーロン・マスクが含まれる。

過剰な規制への反発

リベラル派が言論の自由を脅かすと語るマスクは、トランプの集会にMAGAの帽子を被って登場した。しかし、トランプに肩入れする保守派の富豪はマスクだけではない。パランティアの創業者であるピーター・ティールは、当初からトランプ支持を表明しているが、その理由が左派寄りの過剰な規制への反発であることは明白だ。また、シリコンバレーのベンチャーキャピタリストであるマーク・アンドリーセンとベン・ホロウィッツは、それぞれ250万ドル(約3億8000万円)をトランプ陣営に寄付している。

テクノロジーと国家安全保障を専門とするジャーナリストのジェイコブ・シルバーマンは、ビックテックの創業者や幹部らは、トランプが大統領に返り咲くことで、連邦取引委員会(FTC)を率いる左派寄りのリナ・カーンが主導する反トラスト法(独占禁止法)の訴訟や追求から解放されることを期待していると述べていた。

シルバーマンによると、彼らにとってトランプは、過剰な規制から解放し、問題を片付けてくれる存在なのだという。確かに、トランプの政治スタイルは彼らにより多くの自由を与える可能性が高く、それだけでもトランプを支持する十分な理由になるだろう。

トランプに投票した有権者の一部は、彼の富裕層への迎合に反感を抱くようになるかもしれない。しかし、そのことが2028年の選挙に影響することはないだろう。なぜならば、ほとんどの問題において、ハイテク大手とホワイトハウスは協調関係にあり続けるからだ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事