トランプに「使い捨てられる」可能性
一方、テスラ強気派で知られる株式アナリストのダン・アイヴスは、「トランプ政権は、EV産業全体にとってはマイナスだろう。EVの補助金や税額控除が撤廃される可能性が高いからだ。しかし、テスラにとっては大きなプラスと見ている」とリサーチノートに記した。「テスラは、この業界で他に類を見ない規模とスケールを持っている。このことは、EVの補助金が打ち切られた環境でテスラに明確な優位性をもたらす可能性がある」と彼は続けた。
アイヴスはまた、トランプがロボタクシーの夢を加速させるために、この技術の進展を阻害する規制を制限する可能性もあると指摘した。「このシナリオでは、自動運転テクノロジーの開発の迅速化が最優先事項となり、中国に先を越されないように前倒しされる可能性がある」
過去1年で急速に発展したマスクとトランプの緊密な関係は、複数の業界で大きな存在感を放つマスクの影響力を、今後の数年間でさらに高める可能性が高い──しかし、それは、この蜜月関係が続くならばだ。
「マスクは、権力が大好きだ。政府に頼って会社を築いてきた彼が、新政権に深く関与するのは非常に有益だ」とガーバーは語る。
「ただし、あまり語られていないリスクは、トランプが自己主張の強い取り巻きにすぐに飽きてしまうことだ。トランプは、マスクの力を利用して勝利を引き寄せたが、大統領に就任したトランプには、マスク以外にも多くの利害関係者が群がってくる。そして、前回の政権を思い出してみると、発足当時にトランプの側にいた人たちは、35日目にはほとんど消えていた」とガーバーは語った。
(forbes.com 原文)