新プロジェクト「Cloudspotting on Mars: Shapes(火星の雲観察:形状)」では、NASAの火星探査機「MAVEN(メイブン)」から届く画像データを観察して雲を見つけ出し、その種類を特定する民間協力者を募集している。参加者は、自分が発見した対象がたしかに雲であり、氷の塊や火山といった火星の地表面の特徴ではないことを確認する。
インターネットに接続したコンピューターがあれば誰でも参加でき、データの分析方法はオンラインチュートリアルで学べる。このプロジェクトは、研究者と市民科学者をつなぐプラットフォーム「Zooniverse(ズーニバース)」を通じて運用されている。
火星の雲には、水蒸気が凍ったものと、二酸化炭素が凍ったもの(ドライアイス)があると考えられている。NASAは雲の形状と分布のパターンを調査しており、風が雲にどういった影響を与えるのか、また火星ではどのように雲が形成されるのかを解明しようと努めている。
そこで出番となるのが、鋭い観察眼を持つ市民科学者たちだ。「雲の種類を分類することにより、水蒸気の有無、風の吹き方、火星の気象パターンに日々影響を及ぼす要因について、研究者が知見を深める手助けができる」と、NASAは10月29日付の募集案内で説明している。
MAVENとは「Mars Atmosphere and Volatile EvolutioN(火星の大気・揮発性物質進化)」の略称である。この探査機は2014年に火星に到達し、火星の大気の現状とそこに至るまでの経緯について理解を深めることをミッションの目的としている。