採用の決定的要因ではない
英紙フィナンシャル・タイムズによると、2年前、MBA取得者の採用市場は活況を呈していた。テック系企業の解雇の動向を追跡しているサイトによると、今年は15万1000人以上が解雇されている。この数字は多いように思えるが、昨年解雇にあった約43万人には及ばない。MBA取得者の初任給は低下しており、現在ではインフレ調整後で8年前の水準の86%にとどまる。それでも、調査会社Revelio labs(レベリオ・ラブズ)の調査によると、MBA取得者の初任給は大学で経済や財務を学んでから社会に出た人の初任給より約20%高い。スキルや能力を重視する採用面接で好印象を与え、そのポジションに求められる能力があることを証明するためには、Z世代には高い学歴以上のものが必要だ。企業は学歴以外のところで魅力がある人材を探しており、それは良いことだ。だが、仕事の世界を理解する上での手がかりを持っているのはなおさら良い。本当に優秀な人たちはコミュニケーションスキルに取り組んでいる。米俳優ステラ・アドラーの有名な言葉に「You’ve got to have a talent for your talent.(才能を活かすためには才能が必要だ) 」というものがある。学位は次の仕事を得る決定的な要因ではないかもしれないが、自分がどういう才能を持っているかを伝える能力は常に左右する。
仕事を得て働き続けるには、どの学校を出ていなければダメ、ということはない。では、MBAの本当の価値は何だろうか。MBAを取得した人を見ればわかるように、その答えは人それぞれだ。教育の価値は個人が判断するものであり、行動で示され、コミュニケーションを通じて伝えられる。結局のところ、教育とは自分が作り上げるものだ。それはZ世代だけでなく、どの世代にも言える。自分のスキルや提供できる価値についてどう語れるかに自分の本当の価値が出る。
(forbes.com 原文)