AI

2024.11.01 10:30

「AI技術の進歩に驚く時期はすでに終わった」OpenAI長崎社長が描く日本の未来

OpenAI Japanの長崎忠雄社長

また、このポリシーはOpenAIの基本理念にも通じている。「生成AIは特定の人だけが恩恵を受けられる技術ではなく、あらゆる人が活用できる『汎用テクノロジー』」であるという考えだ。この理念に基づき、OpenAIは特定のジャンルに絞ったAI開発ではなく、汎用性の高いAIの開発に注力している。
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AIの活用は日本社会が直面する多くの課題に対する解決策となる可能性を秘めている。少子高齢化の急速な進行による労働力不足、生産性の低さ、行政サービスをはじめとする社会全体のデジタル化の遅れなど、日本が抱える問題を解決する手段としてAIの応用は有効だ。

しかし、こうした社会全体への応用を進めるには「社会全体の理解と受容」が不可欠だ。長崎社長は「OpenAIは技術提供だけでなく、対話を通じて日本社会の変革と発展に貢献していく」と話した。

「AI技術と日本社会をつなぐことで、日本企業はもちろん、国全体が次世代に適応していくことに貢献したい」

「AI技術と日本社会をつなぐことで、日本企業はもちろん、国全体が次世代に適応していくことに貢献したい」

AIを『みんなが、誰もが、恩恵を得られるサービス』にするために

少子高齢化が急速に進む社会でのAI活用、応用で先行することができれば、日本がAI時代のフロントランナーとなる可能性もある。
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しかし、その実現には多くの課題が待ち受けている。AIの導入に伴う倫理的問題や、技術の進歩に取り残される人々の存在など、新たな課題も生まれるだろう。これらの課題に対して、社会全体で対話を重ね、合意形成を図りながら、AIの可能性を最大限に引き出していくことが求められる。

長崎社長は「AIは『みんなが、誰もが、恩恵を得られるサービス』になる可能性を秘めている」と語る。その可能性を現実のものとし、AIによってもたらされる恩恵を社会全体で享受するためには、産官学の連携、法制度の整備、教育システムの改革など、多面的なアプローチが必要となるだろう。

AI技術の進歩に驚く時期はすでに終わった。

次に向かうのは、AIをどのように社会実装していくかだ。未知の領域に足を踏み入れようとしている今、私たちに求められているのは、技術の可能性を最大限に引き出しつつ、人間の価値観とのバランスを慎重に取りながら前進していく姿勢だろう。

長崎氏は「AI技術と日本社会をつなぐことで、日本企業はもちろん、国全体が次世代に適応していくことに貢献したい」と話した。

編集=安井克至 写真=樋口勇一郎

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