一方、海自の護衛艦「すずつき」が7月4日、中国・浙江省沿岸の中国領海を約20分間にわたり航行した。木原稔防衛相は9月24日の会見で「7月に(すずつきの艦長が)交代したのは事実だ」と述べた。松村氏は「当時、あの海域では中国海軍の演習が行われていた。すずつきは演習を監視し、情報収集していたとみられる」と語る。すずつきがどのような事情で中国領海に入ったのか明らかではないが、日中関係が緊張すれば、こうした事態はこれからも起きる可能性がある。25日には海自護衛艦が初めて台湾海峡を通過した。
松村氏は「今必要なことは、緊張を緩和するための冷静な措置だ。自分の身に危険が及ぶ状況になれば、世論の反応はどうしても感情的になり、政治家もその声に応えなければならなくなる」と指摘する。自民党総裁選では、領空侵犯への対応措置も話題に上った。松村氏は「今こそ、政治家は威勢の良い感情的な表現を控え、合理的で具体的な対応策を国民に示して、今後、真に国民を守っていける地道な日本防衛のあり方について議論を尽くすべき時だと思う」と語った。
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